「ふるなび」運営のアイモバイル、ふるさと納税ビジネスはまだまだ伸びる!?

 ふるさと納税のポータルサイト「ふるなび」を運営しているアイモバイル。2021年7月期の第二四半期のアイモバイルの業績をみると、「ふるなび」事業が絶好調だ。2019年3月に過度な返礼品を行うことを規制する法案が可決され、2019年のふるさと納税額(寄付金額)は前年割れを起こしたものの、2020年は「ふるなび」の好調を見るかぎり、前年にくらべて盛り返していると思われる。アイモバイルの今後の業績と株価の行方はどうなるのか?なお、ふるさと納税は「納税」と記載されているものの「寄付」である。

アイモバイル(6535)、「ふるなび」事業頼りから脱却なるか?(2020年5月31日投稿)

■基本情報(2021年3月12日時点)

  • 株価:1,284円(10年来高値:1,829円)
  • 時価総額:280億円
  • 予想PER:15.2倍
  • PBR:1.94倍
  • 予想配当利回り:1.94%
  • 自己資本比率:69.8%
  • 会計基準:日本基準

■アイモバイルの業績は?

 アイモバイルの2021年7月期の第二四半期の売上高は111億円(前年同期比+23.3%増)、営業利益25.8億円(前年同期比+57.5%増)の増収増益となった。アイモバイルの売上総利益率は+71.4%(前年同期は+52.4%)、営業利益率は+23.2%(前年同期は+18.2%)と改善した。

 アイモバイルのセグメント別の業績をみると、「ふるなび」のコンシューマ事業の売上高は前年同期比+81.8%増と大きく伸び、アイモバイル全体の営業利益の伸びを引っ張った。インターネット広告事業も堅調に伸びている。今回のアイモバイルの業績改善は「ふるなび」の伸びが大きな要因だ。

■アイモバイルの事業内容は?

 アイモバイルの「ふるなび」は前年同期比で売上高と寄付受付件数が倍増したことが業績改善の要因だ。インターネット広告事業はメディアと広告主(広告代理店)をつなぐ広告配信プラットフォーム事業とアプリ運営事業の「オーテ」を中心に事業をおこなっている。

 「ふるなび」については、従来以上にアマゾンギフト券の還元などを積極的に行い、他のポータルサイトよりも利用する価値があがったと個人的に感じることが多かった。インターネット広告でも以前よりも「ふるなび」を見ることが増えたり、テレビCMでも「ふるなび」を見る機会が大きく増えた。

■アイモバイルの事業一覧

 アイモバイルは「ふるなび」を中心としたコンシューマ事業をおこなっている。もちろん、事業の中心にあるのは、ふるさと納税ポータルサイト「ふるなび」であり、その会員向けのサービスとしてトラベルやグルメポイントなどを提供している。インターネット広告事業は、アドネットワークという「i-mobile」ブランドによる広告サービスを提供しているが、収益性では営業利益率は1ケタ台となっている。

■ふるさと納税の行方は?

 ふるさと納税の潜在寄付控除規模と実績をみると、全体の20%しか使用されていない。言い換えると、最大で5倍の上昇余地が残っている。いっぽう、ふるさと納税は、国の政策のひとつのため、政策変更により市場が拡大または縮小どちらも起こりえる。現在はふるさと納税の市場が拡大しており、「ふるなび」だけでなく、「楽天ふるさと納税」(楽天)、「さとふる」(ソフトバンクグループ)、「ふるさとチョイス」(トラストバンク)などの競合も伸びていると思われる。

■アイモバイルの株価の行方は?

 アイモバイルの時価総額は約280億円。ふるさと納税ビジネスは、10月~12月に駆け込み寄付が起こるため、アイモバイルのコンシューマ事業の2021年7月期の業績はほぼ決まった。あとはインターネット広告事業の売上高と利益が加算されていくこととなる。現状のアイモバイルの成長性と収益性を考えると、株価指標的には割安だ。チャート的にも上昇トレンドに入っているように見えるため、ここからの下値は限定的だ。なお、競合であるチェンジの時価総額は2,200億円まで上昇しており、アイモバイルの割安度がより際立って見えてしまう。

(画像5)アイモバイルの株価推移

以 上

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする