インフレに翻弄されるプロレド・パートナーズ、赤字予想を開示!

 顧客企業のコスト削減の成果に応じて報酬を3年間にわたり受け取る事業を行っているプロレド・パートナーズ(以下、プロレド)。2022年6月14日に公表した業績は前年同期からの大幅減収減益。インフレの拡大によりエネルギーを中心にコスト削減効果が積み上がらず、顧客からの報酬(成果)がでない状態だ。プロレドの業績と株価はどうなるのか?

コスト削減コンサルのプロレド・パートナーズ、期待はプロサイン!?(2022年5月2日投稿)

■基本情報(2022年6月17日時点)

  • 株価:472円(10年来高値:6,280円)
  • 時価総額:53億円
  • 予想PER:ー(赤字予想)
  • PBR:0.83倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:65.0%
  • 会計基準:日本基準

■プロレドの業績は?

 プロレドの2022年10月期の第二四半期の売上高は14.9億円(前年同期比△26.8%減)、営業利益1.2億円(前年は5.8億円の黒字)と大幅な減収減益となった。プロレドの売上総利益率は+54.6%(前年同期は+62.2%)、営業利益率は+7.9%(前年同期は+27.0%)と大きく悪化。

 業績悪化の要因はインフレの拡大だ。プロレドは顧客のコスト削減をコンサルティングすることにより、その削減幅に一定の料率をかけて報酬総額を算出。その報酬総額を3年間に分割して受け取るサービスを提供している。プロレドが得意とするエネルギーコスト削減は原油、天然ガスの高騰やJEPX(日本卸電力取引所の取引価格)は高騰しており、いまの計算式では報酬が非常に小さくなっている。

 また、エネルギーコスト以外の携帯電話、固定電話、複合機、建物管理費なども成果報酬が落ち込んでいる。企業物価指数が前年比で10%以上上昇しており、プロレドの成果報酬の計算式には大きなマイナス要因となっている。

■逆風のなかの株価の動きに注意!

 プロレドの株価は上場来高値から10分の1以下まで下落。個人投資家のなかには巨額の含み損を抱えている人もいるだろう。しかしながら、新たにプロレドに投資する人にとってはチャンスかもしれない。

 プロレドのインフレ要因により売上高は落ちているものの、案件数は前年同期比で積み上がっており、2022年10月期の第二四半期で1,215件(前年同期は1,095件)となっている。コンサルタント1人あたりの案件数は11.9件(前年同期は11.0件)と生産性も改善しており、着実にプロレドの企業の強さは高まっているだろう。

 いまは業績悪化で株価は急落しているものの、すでに割安なレベルまで株価は落ちている。プロレドの現預金は48.5億円あり、投資有価証券は29.5億円保有している。有利子負債6億円を考慮しても、ネットで約70億円くらいの金融資産を保有していることがわかる。現在のプロレドの時価総額は52億円とその金融資産の価値を下回っている。

■プロサイン(Pro-Sign)への期待!

 プロレドは完全成果報酬型のコストマネジメント・コンサルティングだけが事業内容ではない。プロサインという間接調達コストをマネジメントするSaaS(クラウド型)のサービスを展開を進めている。

 このプロサインはプロレドのコスト削減ノウハウが詰め込まれたサービスであり、今後のコスト削減のビッグデータを構成する重要な武器のひとつ。まだ課金をスタートしていない顧客もいるものの、すでに355社にプロサインを導入している。

 プロサインとは別に、不動産賃貸借契約書管理(CRE)というサービスもスタートしており、課金スタートしている。

■プロレドの株価推移は?

 プロレドの株価は下落トレンドがつづいている。どこで購入するか悩ましいが、少しずつ購入していくのが妥当ではないだろうか。株式市場は世界的な金融緩和バブルの終焉により、暗号資産(仮想通貨)やグロース銘柄など大きく価格が調整している。たとえ、プロレドの株価が企業価値よりも大幅に安くても、それを大きく下回る可能性もありえる。

 月次チャートをみると、2020年12月からずっと陰線(月初よりも月末の株価が低い)のため、陽線(月初よりも月末の株価が高い)になるまで購入を控えたほうがよいだろう。ただし、将来的には期待できる水準まで株価は下がってきたと思う。

(画像1)プロレドの株価推移

以 上

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