クランジングバームのプレミアアンチエイジング、四半期ベースで赤字転落!

 デュオ(DUO)やカナデル(CANADEL)などクレンジングバームという分野を手掛けるプレミアアンチエイジング。2009年12月に設立、従業員数226名と勢いのあるグロース銘柄であるものの、ここにきて四半期ベースで営業利益が赤字に転落。かなり含み損を抱えている個人投資家も多いと思われる。プレミアアンチエイジングの業績と株価の行方はどうなるのか?

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■基本情報(2022年6月17日時点)

  • 株価:2,028円(10年来高値:19,190円)
  • 時価総額:177億円
  • 予想PER:12.8倍
  • PBR:2.17倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:63.8%
  • 会計基準:日本基準

■プレミアアンチエイジングの業績は?

 プレミアアンチエイジングの2022年7月期の第三四半期の売上高は259億円(前年同期比+9.0%増)、営業利益19.6億円(前年同期比△55.8%減)の増収減益。プレミアアンチエイジングの売上総利益率は+79.8%(前年同期は+81.0%)、営業利益率は+7.6%(前年同期は+18.6%)。

 販管費が前年同期の148億円→187億円と+39億円増加したことにより営業利益が大幅な悪化となった。2022年7月期の第三四半期(単期)だけをみると、売上高79.3億円、営業損失△2.9億円と赤字転落となった。販管費増加の主な要因は、前年同期比で広告宣伝費+15.9億円、業務委託費+10億円。業務委託費は通販売上高に連動する販促費(成果報酬)のようなものと説明がある。おそらく、アフィリエイトのようなものだろう。

 いずれにしろ、広告宣伝費や販促費をかけても、それほど売上高が伸びず、利益がでなくなっていることに注意が必要だ。

■業績予想の下方修正!

 プレミアアンチエイジングは決算発表と同時に業績予想の下方修正を発表。前回発表時(2021年9月)は売上高400億円、営業利益60億円だったものが、今回は売上高340億円、営業利益23億円と大幅減となった。

 修正理由として、「競合他社による安価なクレンジングバーム製品の投入が相次いだことで、競争環境が激化しました」とあり、デュオの優位性が薄れているという致命的な理由だ。

 正直、プレミアアンチエイジングは企画販売型のビジネスモデルで、自社ブランド品をいかにブランドをつけて高く売るかが事業のポイント。化粧品やスキンケア用品は製造原価が低く、いかに広告宣伝費を投入してブランド価値を高めるかが重要であるものの、競合他社に市場シェアが奪われだしたことが問題だ。

■プレミアアンチエイジングの財務状況は?

 プレミアアンチエイジングの2022年4月末時点の財務諸表をみると、財務状況は健全だ。現預金は36億円(2021年7月末:61億円)、製品・原材料48億円(同:27億円)、有利子負債15億円(同:9億円)と悪化しているものの、まだまだ健全だ。

 ただし、心配なのは製品・原材料が大幅に増加しており、予想よりも販売が停滞している点だ。プレミアアンチエイジングの原価率を20%と考えると、売上高240億円分の在庫を保有していることとなり、かなり売れ行きが悪いことが予想できる。

■プレミアアンチエイジングの株価は?

 プレミアアンチエイジングの時価総額は約180億円。一時、時価総額は2,000億円に迫る勢いだったものの、業績悪化により株価は数分の一に下落。個人投資家の多くは含み損を抱えている状態だ。

 おそらく、高値を超えるのは相当長い期間かかりそうだ。もしかすると、高値更新は実現しない可能性もある。同じような事業モデルのファーマフーズ、新日本製薬、北の達人コーポレーションなどを見ると、北の達人コーポレーションと新日本製薬がなんとかうまくやっている感じ。ファーマフーズも育毛剤ニューモが停滞し始めている。プレミアアンチエイジングへの投資は当面は様子見が無難ではないだろうか。

(画像1)プレミアアンチエイジングの下落つづける株価推移

以 上

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