小売・外食のDX支援のビートレンド、アフターコロナで従量課金売上は上昇か!?

 スマートCRMという仕組みで小売・外食の来店者情報やモバイルオーダー機能などマーケティング・販売促進支援をおこなっているビートレンド。顧客の顧客管理・販促活動のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するビジネスを手掛けている。主力のスマートCRMサービスは年平均成長率30%超で進んでいる。時価総額は約30億円と小型株であるものの、期待できる情報通信企業のひとつ。

■基本情報(2021年8月20日時点)

  • 株価:2,814円(10年来高値:10,500円)
  • 時価総額:30億円
  • 予想PER:29.9倍
  • PBR:4.74倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:81.7%
  • 会計基準:日本基準

■ビートレンドの業績は?

 ビートレンドの2021年12月期の第二四半期の売上高は4.9億円(前年同期比+17.0%増)、営業利益19百万円(前年同期比△66.1%減)の増収減益となった。ビートレンドの売上総利益率は+50.6%(前年同期は+57.2%)、営業利益率は+3.9%(前年同期は+13.5%)と利益率は悪化となった。

 利益率悪化の要因は、自社製ソフトへの投資(開発費用など)や広告宣伝費、人員採用など将来的な投資のため売上原価・販管費ともに前年よりも大幅に増加したことが要因だ。決算説明動画をみると、アプリ関連プラットフォームを自社製ソフトに置き換えることにより、コスト削減効果がでるようだ。

■ビートレンドの成長性は?

 ビートレンドは2020年12月に上場したばかりのベンチャー企業。年間売上高は約10億円と小さい。上場時に時価総額100億円を超える株価となったものの、実態の事業規模などとの乖離から最高値から4分の1くらいまで株価の下落となった。

 いっぽう、ビートレンドは幸楽苑など外食顧客からモバイルオーダーなどのアプリを受注・販売しており、コロナ禍での成長やアフターコロナによる実店舗への来客増となったときに、従量課金部分の売上高が増加することが期待されている。ビートレンドはリカーリング型ビジネスとなっており、アプリを導入している顧客からは継続的にお金が入ってくる仕組み。従量課金部分について、顧客企業の利用規模が大きくなれば、ビートレンドへの売上高増も期待される。

 ビートレンドはスマートCRMという仕組みをつかったスマートフォンアプリを提供している。そのアプリにより顧客管理、DM発信、クーポン発行などを管理できる。LINEのミニアプリの活用におり、LINEを登録しているだけで利用することが可能になる見込み。大手チェーン店などで導入されれば、一気に全国的に利用されることが情報通信企業の魅力。マルチプルで売上高が伸びていく可能性がありえる。

■ビートレンドの株価推移は?

 ビートレンドはようやく下落トレンドから上昇トレンドに入った可能性が高い。チャートをみると、株価が移動平均線を突き抜けており、上昇が期待できそうだ。ビートレンドは情報・通信銘柄のなかでは事業規模や時価総額が低い小型株。ここから株価が反発して、そこからはビートレンドがしっかり実績を出せるかにかかっている。

 ビートレンドの従業員数は約50名。2021年の新卒を6名募集しており、将来の成長に向けて自信をもっていると思われる。引き続き、注目したい。

(画像1)ビートレンドの株価推移

以 上

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