「kintone」などグループウェアのサイボウズ、2021年は積極投資で増収減益の見込み!

 「kintone」や「サイボウズOffice」などのグループウェアを中心にビジネスを展開しているサイボウズ。2020年12月期は増収増益となったものの、2021年12月期は広告宣伝費や人件費増など積極投資と位置づけ増収減益を見込む。2020年は新型コロナウイルスの影響によりクラウドサービス(SaaS)が注目を集め、サイボウズ含むクラウドサービス関連銘柄の株価は急騰した。これからサイボウズの業績と株価はどうなるのか?

グループウェアのサイボウズ(4776)、クラウド関連売上は70%突破!コロナ禍で伸びる(2021年1月2日投稿)

■基本情報(2021年3月26日時点)

  • 株価:2,295円(10年来高値:3,800円)
  • 時価総額:1,211億円
  • 予想PER:964.2倍
  • PBR:16.43倍
  • 予想配当利回り:0.52%
  • 自己資本比率:52.4%
  • 会計基準:日本基準

■サイボウズの業績は?

 サイボウズの2020年12月期の売上高は157億円(前年比+16.8%増)、営業利益22.7億円(前年比+31.1%増)の増収増益となった。サイボウズはじめ、クラウドサービス企業にとっては新型コロナウイルスの感染拡大によるリモートワークの後押しが大きな特需となった。クラウド会計のfreee(フリー)、マネーフォワード、ラクス、Sansan、そしてヘルスケアIT企業のエムスリー、メドピア、ケアネットなど業績だけでなく株価も大きく伸びた一年となった。

(画像1)サイボウズの決算短信の業績まとめ

■サイボウズの事業の状況は?

 サイボウズの事業は絶好調だ。いま力を入れている業務アプリ支援サービスの「kintone」は前年比+37.5%と大きく伸び、契約者数も増加している。「サイボウズOffice」は2012年からスタートしたクラウドサービスが増加し、大きな業績の伸びに転じている。インターネット回線が高速になり、インターネットを通じたソフトウェアの使用にストレスを感じなくなっている点がクラウド普及を後押ししている。

 これまでのパッケージソフトの場合は、ユーザー数の把握などが難しかったが、クラウドサービスの場合はベンダー側(サイボウズなどサービス提供側)が利用者数を把握することもたやすい。これまで徴収できていなかった隠れユーザーの利用料の徴収も進んでいると思われる。

■サイボウズの株価の行方は?

 サイボウズの時価総額は約1,200億円。ほかのクラウドサービスと比べると時価総額は低めに見える。たとえば、「楽楽精算」を展開しているラクスの時価総額は約4,000億円。サイボウズはラクスほど利益率は良くないものの、事業規模などはそれほど変わらない。サイボウズは2021年2月の決算発表時に2021年12月期の増収減益を発表したものの、その発表前から株価の下落ははじまっていた。

 サイボウズの株価トレンドは明確に下落に転じているため、ここから資金が流入して上昇トレンドに転じるまでには1年~2年くらいは時間がかかりそうだ。もちろん、あたらしいサービスやM&Aなどで事業状況が一変すれば異なる株価推移の展開になる可能性はありえる。当面はサイボウズの事業状況をウォッチすることになりそうだ。

(画像3)サイボウズの株価推移

以 上

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