中国のRF規制で売上高激減のヤーマン、今後の展開は?

 RF美顔器(ラジオ波の美顔器、Radio Frequency)、ムダ毛ケア光美容器のレイボーテ、顔の表情筋を鍛えるメディリフトや化粧品などを自社ブランドを展開している美容機器メーカーのヤーマン(YAMAN)。ヤーマン独自の製造小売システム(SPA)で年間20アイテム程度を市場に投入しているファブレスメーカー(自社工場を持たないメーカー)。2024年4月に施行された中国のRF(ラジオ波)技術を対象とした規制で、ヤーマンの美容機器は認証を取得しなければ中国市場で販売を継続できなくなり、売上高は激減している。今後の対応は?

美顔器等の美容機器メーカーのヤーマン(YAMAN)、中国本土の販売好調!(2021年6月19日投稿)

■基本情報(2024年9月13日時点)

  • 株価:810円(10年来高値:2,788円)
  • 時価総額:472億円
  • 予想PER:28.7倍
  • PBR:1.77倍
  • 予想配当利回り:1.1%
  • 自己資本比率:85.8%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:77,235人(2024年4月30日時点)
  • 事業価値:310億円

■ヤーマンの業績は?

 ヤーマンの2025年4月期の第一四半期の売上高は57.5億円(前年比△40.3%減)、営業利益1.9億円(前年同期は+16.7億円)の減収減益。ヤーマンの売上総利益率は+59.2%(前年同期は+62.7%)、営業利益率は+3.3%(前年同期は+17.4%)と大きく悪化している。

 ヤーマンの売上総利益額は前年の60.4億円→34.1億円と△26.3億円の減少、販管費は前年の43.6億円→32.1億円と△11.5億円の減少となり、差し引きで営業利益は△14.8億円減少の+1.9億円となった。中国の経済停滞とRF規制が大きな影響となった。

■ヤーマンの事業状況は?

 ヤーマンの業績悪化の理由は明確で、中国の経済停滞と何よりRF規制による美顔器の販売ができないことだ。中長期計画として中国本土で家庭用医療機器として美顔器などが販売できるようにNMPAの認証登録を推進する。また、米国でも販売できるようにFDAの認証登録の取得を推進する。

 中国本土ではライブコマースによるブランド力を生かしたマーケティングが重要であるものの、モノを販売できないのは致命的。言い換えると、RF規制の認証を受ければ、業績回復するというストーリーが明確であることはわかりやすい。なお、2024年4月に中国本土で脱毛器のNMPAを取得している。

■今期の業績予想は?

 2025年4月期の業績予想は、売上高350億円、営業利益25億円と計画している。第一四半期の業績をみると下方修正もやむを得ない実績であるものの、中国のRF規制の認証を受ければ、下期からの業績回復も可能性はあるだろう。

■ヤーマンの財務状況は?

 ヤーマンの2024年7月末の財務諸表をみると、現預金は167億円、在庫約40億円となっている。負債は、有利子負債5.5億円で目立った負債はない。財務的にはきわめて健全だ。

 なお、ヤーマンの従業員数は432名、平均年齢35.3歳、平均年収494万円。平均年収が低いのが気になる。

■ヤーマンの株価推移は?

 ヤーマンの時価総額は約470億円。業績悪化の割に、株価の下落はそれほどない。すでにRF規制による業績悪化を織り込んでいると言えるかもしれない。しかしながら、中国の業績回復が見込めないと、ジリジリと業績は悪化し続けるだろう。

以 上

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