飲食店の送客サイト「ぐるなび」を運営している、ぐるなび。売上高は前年割れが続いているものの、売上総利益は前年比+7.0%と改善。また、販管費を大きく削減しており黒字化が見えてきた。トップラインが上昇していないものの、ぐるなび、の今後の業績に期待してよいのか、今後の行方は?
ぐるなび回復の兆しも!?Googleでの予約サービスも提供、今後の行方は?(2023年10月7日投稿)
■基本情報(2023年11月2日時点)
- 株価:294円(10年来高値:3,165円)
- 時価総額:167億円
- 予想PER:-
- PBR:3.41倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:58.4%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:20,831人(2023年3月31日時点)
■ぐるなびの業績は?
ぐるなびの2024年3月期の第二四半期の売上高は56.5億円(前年比△3.6%減)、営業利益△73百万円(前年同期は△16.1億円)と減収であるものの営業損失は大きく縮小した。ぐるなびの売上総利益率は+63.8%(前年は+57.5%)と粗利率が大きく改善している。
ぐるなびの売上総利益は前年の33.7億円→36.1億円と+2.4億円の改善、販管費は49.8億円→36.8億円と△13.0億円の改善となり、合わせて15.4億円の改善となった。
■ぐるなびの事業状況は?
ぐるなびの売上高は飲食向け販促サービスのストック型サービスが堅調に増加している。昨年にくらべると、コロナの感染症5類への移行などで居酒屋など需要が回復し、また、インバウンド再開の影響が大きい。それらの背景から、飲食店が送客サービスである、ぐるなびに再度お金を払ってサービスを受ける傾向が継続している。ストック型サービスの月次売上推移をみても、着実に上昇している。
ネット予約件数もコロナ前を上回る水準で進んでおり、ネットを経由して飲食店を予約する流れができている。
■大きく削減した販管費の内訳は?
ぐるなびの今回の決算をみると、総費用が前年の74.7億円→57.3億円に△23.4%減となっている。売上原価、販管費をみても、人件費の削減が大きい。売上原価は約4.5億円の削減になっており、中身を開示していないものの、採用抑制が効果を出していると決算説明資料に記載がある。
販管費は内訳を開示しており、人件費は約7.7億円の削減、賃借料は1.5億円の削減、業務委託費1.3億円の削減となっている。いっぽうで、広告・販促費は前年同期比+0.6億円となっている。ここまで削減して、ぐるなびの現場に大きな混乱がないか気になるものの、継続して事業ができるのであれば復活の兆しが見えた形だ。
■ぐるなびの株価推移は?
ぐるなびの時価総額は約170億円。2023年11月1日に決算発表し、翌営業日に株価は+11.8%も上昇している。しかしながら、まだ赤字を継続しているため、将来的にどのくらいの利益を出せる企業に戻るか見極めが必要だ。
カカクコムの「食べログ」は飲食店への送客サービスでコロナ前まで業績は戻っており、ぐるなび、Rettyは苦戦中だ。ここから成長ステージに戻れるか引き続きウォッチが必要になる。
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以 上