モバイルゲーム運営のアカツキ、ゲーム事業の業績が悪化傾向つづく!

 バンダイナムコエンターテインメントから配信されている「ドラゴンボールZドッカンバトル」や「アイドルマスターSideM」などスマートフォンゲームを中心に事業を行っているアカツキ。2021年7月30日に公表した決算短信を見ると、売上高は前年同期比△23.4%減、営業利益は前年同期比△55.0%と大幅な減益となった。ゲーム事業の不調はアプリランキングなどで概ね把握することができ、業績を悪化を織り込みながら株価は下落基調となっていた。アカツキの今後の業績と株価はどうなるのか?

モバイルゲームのAkatsuki(アカツキ)、事業を支えるヒット作品がほしい!(2021年1月9日時点)

■基本情報(2021年7月30日時点)

  • 株価:3,265円(10年来高値:11,070円)
  • 時価総額:459億円
  • 予想PER:6.2倍
  • PBR:1.23倍
  • 予想配当利回り:2.45%
  • 自己資本比率:80%
  • 会計基準:日本基準

■アカツキの業績は?

 アカツキの2022年3月期の第一四半期の売上高は51.2億円(前年同期比△23.4%減)、営業利益9.0億円(前年同期比△55.0%減)の大幅な減収減益となった。アカツキの売上総利益率は+49.2%(前年同期は+57.4%)、営業利益率は+17.6%(前年同期は+30.0%)と悪化している。

 アカツキは他社作品である「ドラゴンボールZドッカンバトル」などは他社とのレベニューシェア方式をとっており、配分される利益額のみを売上高に計上している。運営コストやAppleストアやGoogleプレイなどへのプラットフォーム費用(手数料)が差し引かれた利益だけが計上されるため、アカツキの利益率は表面上、高くなる。その結果、配分される利益額が減少すると、売上総利益率や営業利益率が大きく悪化する。

 アカツキの業績悪化の要因は運営中のタイトル7本(自社IP:1本、他社IP:6本)が低調であること。2年くらいの業績を四半期ベースで見ているなかで、もっともゲーム事業収入が低い四半期決算となった。2020年度の2Qは売上高100億円だったのに対して、今回の1Qは売上高51億円とほぼ半分となっている。

■パイプライン(新規タイトル)は?

 アカツキのモバイルゲームのパイプラインは今年度の下期以降に他社IPタイトルで1本のリリースを予定している。下期の発表となると、今期の業績はきびしいものとなりそうだ。

 「ドラゴンボールZドッカンバトル」や「ロマンシングサガ リ・ユニバース」は周年イベントなどを開催して盛り上げていく必要がある。

■アカツキの株価推移は?

 アカツキの時価総額は約450億円。割高感はない。しかしながら、年初来安値を更新しており、いまが最安値であるとは言い切れない。ここ2年くらい、3,000円が抵抗線になっており、3,000円を割ってくると当面は下げ相場がつづく可能性がある。長期投資であれば、少しずつ拾っていっても良いかもしれない。

 アカツキは余裕資金で2つのファンドに出資している。ハートドリブンファンドとAET FUND(Akatsuki Entertainment Technology Fund)だ。この2つのファンドは数多くのベンチャー企業に投資をしており、将来的に株式上場する可能性がある企業も少なくない。レシピ動画サイト「クラシル」を運営しているdely(デリー)、CoineyとSTORES.jpを統合したhey(ヘイ)など。heyの展開しているSTORES.jpは無料ホームページ作成支援のBASEと同じようなサービスを展開している。アカツキは日本国内だけでなく、アメリカやインドにも投資している。

ネットショップ作成支援のBASE、広告宣伝の強化で営業赤字見通し!(2021年2月13日投稿)

(画像1)アカツキの株価推移

以 上

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