顧客の信用リスクを保証するサービスを提供しているイーギャランティ。2000年9月に電子商取引の金融債権の保証を目的として設立。成長率はここ数年は鈍化しているものの、1ケタ台の成長を維持。事業規模が大きくなり、成長性鈍化の代わりに高い収益性が目立つ。まだまだ成長つづくイーギャランティの業績と株価の行方はどうなるのか?
■基本情報(2023年11月2日時点)
- 株価:1,793円(10年来高値:2,845円)
- 時価総額:853億円
- 予想PER:26.6倍
- PBR:4.18倍
- 予想配当利回り:1.95%
- 自己資本比率:73.0%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:5,471人(2023年3月31日時点)
■イーギャランティの業績は?
イーギャランティの2024年3月期の第二四半期の売上高は45.0億円(前年比+8.4%増)、営業利益は23.5億円(前年比+16.4%増)の増収増益。イーギャランティの売上総利益率は+81.9%(前年は+80.1%)、営業利益率は+52.2%(前年は+48.6%)と非常に高く、また改善している。
イーギャランティの売上総利益は前年の33.2億円→36.9億円と+3.7億円の増加、販管費は前年の13.1億円→13.4億円と+0.3億円の増加となり、差し引きで営業利益は+3.4億円の増加となった。利益構造的に、きわめて好循環な構造になっている。
■イーギャランティの事業モデルは?
イーギャランティは保証残高(保証枠)に対して、その手数料を顧客から徴収するビジネスモデルだ。きわめて安定した収益モデルで、いかに保証残高を増やすかがポイントになる。
顧客は自社の売掛金が貸し倒れるリスクをヘッジするために、信用残高に対してイーギャランティを通してリスクヘッジすることができる。イーギャランティの2023年9月末の保証残高は1.2兆円で前年同期比+30.5%増。イーギャランティのリスクとしては、想定以上に企業倒産が発生することだ。また、大型の企業倒産が起こると、いっきに業績が悪化するリスクはある。
2023年9月末のイーギャランティの財務諸表をみると、保証履行引当金は3.6億円しか計上しておらず、それ以上の貸倒が発生すると業績が悪化する計算になる。
■手数料率は?競合他社は?
イーギャランティの平均保証料率(手数料率)は、1.3%くらいまで下がっている。以前は1.8%くらいあってものの、倒産件数などの減少で平均保証料率が下がっていると思われる。
イーギャランティの競合他社としては、三井住友ビジネスファイナンス、オリックス・クレジット、三菱UFJビジネスファイナンスなど銀行系も少なくない。
■イーギャランティの財務状況は?
イーギャランティの2023年9月30日時点の財務諸表をみると、現預金は165億円、前払費用は20億円、投資有価証券56億円。負債は有利子負債はゼロで、前受金が40億円となっている。財務的にはきわめて健全な企業だ。
■イーギャランティの株価推移は?
イーギャランティの時価総額は約850億円。成長性・収益性を考えると、もう少し株価が高くても良いだろう。すでにビジネスモデルが固まっており、成長もつづいているため安定した株価を維持するだろう。しかしながら、ここから株価が5倍、10倍と上昇する余地はそれほどなく、長期保有で安定成長を期待する人には向いている銘柄だ。
以 上