家具ネット通販サイト「LOWYA」のベガコーポレーション(3542)、コロナ禍で躍進!

 家具ネット通販サイトの「LOWYA(ロウヤ)」を展開するベガコーポレーション(VEGA corporation)。2020年7月31日発表した2021年3月期の第一四半期決算では売上高・営業利益ともに大幅な上昇。通期の業績予想も大幅に上方修正。新型コロナウイルスの影響で在宅勤務によるリモートワーク(テレワーク)需要や外出自粛の影響が大きくプラスに反映した形だ。家具ネット通販サイトの「LOWYA」を見ると、見やすい商品表示と送料無料(沖縄など除く)とわかりやすい価格設定が若者を中心に引きつけている。

■基本情報(2020年8月7日時点)

  • 株価:3,100円
  • 時価総額:322億円
  • 予想PER:30.9倍
  • PBR:7.69倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:59.8%
  • 会計基準:日本基準

■ベガコーポレーションの事業内容は?

 2020年7月31日の決算発表により、ベガコーポレーションのことを知った個人投資家は多いのではないだろうか。家具・インテリアのネット通販サイトを主に運営している会社だ。主力は自社の家具・インテリア通販サイト「LOWYA(ロウヤ)」を展開している。家具通販サイトの以外では、DOKODEMO事業という日本商品を海外に販売する越境ECビジネスを展開しているものの、2021年3月期の第一四半期の流通総額は255百万円(前年同期は195百万円)と規模は小さいので、現時点では家具ネット通販サイトの企業と考えてよい。

■ベガコーポレーションの業績は?家具はネット通販の時代!?

 ベガコーポレーションの2021年3月の第一四半期の売上高は53.5億円(前年同期比+61.1%)、営業利益7.5億円(前年同期は7百万円)と大幅な増収増益を記録。通期では売上高180~200億円、営業利益17~21億円を計画している。業績の大幅な上昇とともに、サイトへのアクセス数は前年同期比182.5%の増加となっている。なぜ、ここまで家具ネット通販サイトが好調なのだろうか?

■ニトリもネット通販好調!

 新型コロナウイルスの影響による外出を控えるようになりネットショッピングがリアルな店舗より優勢になった。それに加えて、在宅勤務(リモートワーク)などにより自宅に仕事用のワークデスクやワークチェアを持っていなかった人が大手家具・インテリア販売店のニトリやベガコーポレーション「LOWYA」などで買いそろえる流れとなった。

 ニトリの決算短信・決算説明資料をみると、ネット通販の売上高が全体の約10%を占め、前年同期比で+140.9%増となっている。ニトリの決算短信には、「パソコンデスクやワークチェアなどのホームオフィス家具の売上が大きく伸長」と記載されている。ベガコーポレーションの業績が急拡大しているが、業界全体が大きく特需をつかんだのが実情だ。

■いつまでベガコーポレーションの好調は続くのか?

 ベガコーポレーションの業績見通しを考えるのに重要なことは「この業績拡大・改善は一時的な改善ではないのか?」という点だ。今回、ホームオフィス用品が伸びたものの、テレワーク需要が落ち着いたときに第一四半期の好調は継続または拡大するかどうか。たしかに「LOWYA」のサイトを見ると、オシャレな家具・インテリア用品が表示され、送料無料とわかりやすい。しかしながら、これから良品計画(無印良品)やニトリとの勝負で全体のシェアを奪っていけるかどうかを考えていかないといけない。

 第二四半期の決算が発表される10月くらいまでは将来の期待を織り込みながら横ばいか上昇の株価推移になるのではないだろうか。第二四半期も継続して事業規模拡大、利益改善されるならば、現在の株価である時価総額300億円は割安かもしれない。

■ベガコーポレーションの株価推移は?

 ベガコーポレーションの株価推移をみると、2020年7月末の決算発表をうけて株価は急騰中だ。短期的には過熱していて長い上髭をつけた形になっている。現在の売上高200億円、営業利益率約10%の状態で、継続して規模を拡大できるのであれば現時点の時価総額300億円は割安だ。新型コロナウイルスの影響による一時的な特需であるか、消費者の購買行動の大きな変化が訪れたのか、どう見極めるか難しい。まずは2020年10月の業績発表まで保留としたい。

以 上

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