経費削減コンサルティングをメインに事業運営しているプロレド・パートナーズ(以下、プロレド)。メイン事業はエネルギー価格の高騰などによるインフレ進行により従量課金の収入が大きく減少して苦戦しているものの、投資事業組合(子会社のブルパスが運営)は大きな運用益を計上した。今後のプロレドの業績と株価はどうなるのか?
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■基本情報(2023年6月16日時点)
- 株価:525円(10年来高値:6,280円)
- 時価総額:59億円
- 予想PER:非開示
- PBR:0.94倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:58.8%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:3,264人(2022年10月31日時点)
■プロレドの業績は?
プロレドの2023年10月期の第二四半期の売上高は13.6億円(前年同期比△8.8%減)、営業損益△98百万円(前年は+1.2億円の黒字)と減収赤字転落となった。プロレドの売上総利益率は+32.4%(前年同期は+54.6%)と大きく悪化している。
プロレドの売上総利益は前年の8.2億円→4.4億円と△3.8億円の減少、販管費は前年の7.0億円→5.4億円と△1.6億円の減少となり、差し引きで営業損益の影響は2.2億円マイナスとなった。前年同期で案件数が減少しており苦戦がつづいている。
■プロサイン(BSM)の事業譲渡!
プロレドはプロサインというシステム基盤にあるBSM(Business Spend Management)という支出管理システムをNTTグループのエヌ・ティ・ティ・データ・イントラマートに売却。BSMは、企業の経費や購買といった取引データを管理して支出を見直しするためのシステムだ。
譲渡価格は2.2億円で、すでに減損をしていたため、特別利益2.18億円を計上する予定。BSMは今後、活躍する仕組みで期待があるものの、プロレド単体ではシステムを顧客展開まで育てることができなかった。
■投資事業有限責任組合の運用益!
プロレドの子会社であるブルパス・キャピタルは投資事業有限責任組合(ドルフィン1号ファンド他)を運営しており、今回、連結ベースで49.8億円の運用益を計上する。プロレドへの影響は10.8億円あり、営業外収入として計上される。プロレドにとっては大きなインパクトであるものの、基盤事業の継続的な利益ではないため、株価にはそれほど大きな影響は見られない。
49.8億円の運用益がでているものの、ブルパスへの損益影響が10.8億円である点は、その投資事業有限責任組合に20%くらいしかプロレドが投資をしていないからだ。ドルフィン1号ファンドには、みずほ証券、みずほ銀行、福岡銀行などが65億円を出資している。
■プロレドの財務状況は?
プロレドの2023年4月30日時点の財務諸表をみると、現預金は56.8億円、投資有価証券は34.7億円となっている。いっぽう、有利子負債は社債や長期借入金が合計で11億円ほどある。この有利子負債を差し引いても、現金的なものは80億円もっており、現在の時価総額59億円はアンダーバリューと言えるかもしれない。
■プロレドの株価推移は?
プロレドの時価総額は約60億円。すでに高値から10分の1まで株価は下落済みだ。コストマネジメントのコンサルティングサービスの案件数が過年度とくらべても減少しており、本業の苦戦はつづく。
コンサルタント数は前年同期の101名→63名と38名の減少となり、将来的な業績回復はスローペースで進むかもしれない。
以 上