面白法人カヤック(3904)、プロモーション~スマホゲームまで!業績は回復基調へ

 スマートフォンでのカジュアルゲームや顧客企業からのプロモーション企画まで、さまざまな事業を展開している面白法人カヤック(3904)。たとえば、「うんこミュージアム」の企画制作はカヤックが担当している(運営はアカツキライブエンターテイメント)。ゲーム、イベント企画、プロモーション、eSports、地方創生事業などを展開しているカヤック。カヤックは複数の事業を展開しているため、収支のブレは大きいものの、新しいことにチャレンジする企業文化を持ち、応援したくなる企業だ。

■基本情報(2020年9月4日時点)

  • 株価:882円
  • 時価総額:134億円
  • 予想PER:36.2倍
  • PBR:6.26倍
  • 予想配当利回り:0.44%
  • 自己資本比率:37.7%
  • 会計基準:日本基準

■カヤックの業績推移!

 カヤックの2020年12月期の第二四半期の売上高は42億円(前年同期比+38.8%)、営業利益は2.9億円(前年同期は赤字)と大幅な増収と黒字転換となった。2018年3Q~2019年3Qまで営業赤字だったものの、ここ3四半期連続で営業黒字に浮上した。カヤックの業績を引っ張っているのは、カジュアルゲーム事業だ。この黒字転換をうけて、株価は(一時的の可能性はあるものの、)上昇トレンドにはいったように見える。

■カヤックの事業内容は?

 カヤックは大きく4つの事業を展開している。ひとつは、クライアントワークだ。顧客からの依頼をうけて、カヤックの企画力と技術力を発揮したプロモーションやキャンペーンの立案・実施をおこなっている事業だ。たとえば、サントリー食品インターナショナルのエナジードリンク「ZONe」のブランド戦略を実施した。「ZONe」のブランド確立のため、eSportsでの大学生最強決定戦など、さまざまなイベントを実施し、商品の認知度向上に向けた取り組みを実施した。

 2つ目は、カヤックの稼ぎ頭であるゲーム事業だ。ハイパーカジュアルゲームという分野で、スマートフォンで気軽に遊べるゲームを提供し、広告で稼ぐというものだ。現在は6タイトルを展開しており、「ぼくらの甲子園!ポケット」「Park Master」「Noodle Master」などがある。「Park Master」は全世界でのダウンロード数が5,000万件を突破する大ヒットとなった。

 3つ目は、ゲームコミュニティ事業で、eSports関係のイベントなどを実施。足元では、新型コロナウイルスの影響によりリアルイベントが延期・中止になったことにより減収となっている。4つ目は地方創生事業で、地域投資、まちづくりコンテンツの受託・運営などあるものの、まだ十分に稼げる事業になっていない。

■カヤックの株価と今後の行方は?

 カヤックの時価総額は約130億円。2020年12月期の売上高は77億円、営業利益は5億円を計画している。営業利益率は6.4%ほどのため、いかに利益率を改善するかが、今後のカヤックの株価の行方を左右しそうだ。現時点での株価は割高でも、割安でもない。これからカヤックは成長していくのだろうか?

 正直なところ、カヤックはさまざまな事業に手を出しており、高成長・高収益の事業を展開できるか現時点では見えてこない。社員数は400人を超えており、固定費率の低い会社ではない。ゲーム、イベント、地方創生など複合的に展開していることはプラスであり、マイナスでもある。イベントや地方創生は数をこなす必要があり、高い収益率を継続的に稼げるか疑問がある。ゲームに関しては、他社との競争は激化しており、中途半端な開発ではなかなかヒットタイトルは生まれない。カジュアルゲームという分野のため、課金方式ではなく、広告方式のため、全世界で5,000万人がダウンロードする大ヒットタイトルが生まれても、現在の実績が収益規模の実情だ。引き続き、カヤックに柱となる事業が生まれるか、ウォッチしていく必要がある。

(画像4)下落トレンドは終わったか?カヤックの株価推移

以 上

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