会計システムに強いビジネスブレイン太田昭和(9658)、株価の行方は?

 会計パッケージソフトやBPO(アウトソーシング)、コンサルティングなどをさまざまなサービスを提供しているビジネスブレイン太田昭和。会計システムのコンサルティングが好調で2020年3月期の売上高は前年比+14.2%の284億円。会計パッケージシステムはオービックビジネスコンサルタントやミロク情報サービスが先行しているものの、さまざまなサービスとかけあわせて顧客に価値を提供しているビジネスブレイン太田昭和。株価は上場来高値圏まで上昇。今後の株価の行方はどうなるのか?

■基本情報(2020年6月5日時点)

  • 株価:2,662円
  • 時価総額:213億円
  • 予想PER:-(未定)
  • PBR:1.6倍
  • 予想配当利回り:-(2020年3月期は年間55円)

■営業利益率の改善が課題!株価に大きく影響

 ビジネスブレイン太田昭和の2020年3月期の売上高は284億円(前年比+14.2%)、営業利益は21.3億円(前年比+23.7%)、営業利益率は7.5%にとどまる。会計パッケージソフトという点で同業他社をみると、オービックビジネスコンサルタント(OBC)、ミロク情報サービス、PCAなどは営業利益率がより高い。株価上昇の観点からすると、営業利益率さえ改善すれば、いまの時価総額210億円規模から、数倍規模への上昇の可能性は十分ある。

 同業他社のオービックビジネスコンサルタント(OBC)は売上高300億円、営業利益130億円で時価総額は約4,700億円。ミロク情報サービスは売上高355億円、営業利益52億円で時価総額は約860億円。これらの競合とビジネスブレイン太田昭和の売上高はそれほど変わらず、気になるのは営業利益額と営業利益率だ。

 たしかに上記の2社とは事業内容が少し異なるものの、ビジネスブレイン太田昭和の営業利益の改善次第では株価は大きく上昇するはずだ。事業規模よりも利益の改善をはかれる施策がもとめられる。

■わかりにくいビジネスブレイン太田昭和の事業内容

 ビジネスブレイン太田昭和の事業は、コンサルティング・システム開発事業とBPO(アウトソーシング)事業の2つが柱。売上高全体の約7割はコンサルティング・システム開発事業が占めており、営業利益の多くはこの事業で稼いでいる。そのなかでも、会計システムに関する分野で利益を稼いでいる構造だ。

 ビジネスブレイン太田昭和の弱みは、事業内容がわかりにくい点だ。そもそも、パッケージソフトを提供する会社なのか、コンサルティングをする会社なのか、よくわからない(ACT-シリーズという会計パッケージソフトを提供している)。同社としては、「コンサル一体型SIモデル」というシステムインテグレーションとコンサルティングを組み合わせた事業を推進としているものの、とにかく理解しにくい。

 さまざまな事業を組み合わせて行うことが強みであるものの、株式市場での評価(株価)はよくない。ビジネスブレイン太田昭和も株式市場の評価に納得していないため、自社株買いを繰り返し、同社の筆頭株主は20.8%を保有する同社(自社)となっている。

■ビジネスブレイン太田昭和の株価推移は?

 営業利益に改善が必要であるものの、ビジネスブレイン太田昭和の株価はここ数年、右肩あがりをつづけている。2014年からのアベノミクスや消費税改正などの追い風をうけ、会計システムなどの更新やコンサルティング需要が高まった。株価は上場来最高値圏となっている。

 ここからさらに株価上昇を目指すことは十分ありえるものの、営業利益の改善をおこなっていけるかどうかがカギとなる。1967年設立の古い企業であるものの、ここから高い成長力をみせ、株価のさらなる上昇を期待したい。

(画像1)消費税増税などの追い風をうけ上昇するビジネスブレイン太田昭和の株価

以 上

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