eラーニングの「スタディング」や法人向け教育事業の「AirCourse」を展開しているKIYOラーニング。昨年度は成長率+30%を超えていたものの、今期の業績目標は成長性+10%。実績で成長性は+16%くらいで推移しているものの、昨年までの勢いがなくなった。KIYOラーニングに期待されるのは、ITサービス企業のような爆発的な成長性と利益率。今後の行方はどうなるのか?
業績は好調も株価下落のKIYOラーニング、投資家の期待が高過ぎたか?(2024年2月17日投稿)
赤字でも成長堅調なKIYOラーニング、オンライン資格講座「スタディング」が業績を引っ張る!(2024年10月22日投稿)
■基本情報(2024年8月23日時点)
- 株価:413円(10年来高値:5,870円)
- 時価総額:28億円
- 予想PER:21.7倍
- PBR:3.0倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:24.9%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:2,177人(2023年12月31日時点)
- 事業価値:4億円
■KIYOラーニングの業績は?
KIYOラーニングの2024年12月期の第二四半期の売上高は19.9億円(前年比+16.6%増)、営業利益△2.0億円(前年同期は△1.3億円の赤字)と増収赤字幅拡大となった。KIYOラーニングの売上総利益率は+85.8%(前年は+85.5%)と高い。
KIYOラーニングの売上総利益は前年の14.6億円→17.0億円と+2.4億円の増加、販管費は前年の15.8億円→19.0億円と+3.2億円の増加となり、営業利益は△0.8億円の悪化となった。毎年、第二四半期の売上高は、資格講座の試験日が少ないため、1年間でもっとも売上高が低い時期であり、3Qと4Qの反発を期待したい。
■KIYOラーニングの事業状況は?
KIYOラーニングは資格取得のための講座をネット配信している。いかに多くの顧客にネット配信映像(資格取得講座)を見てもらうかがポイント。映像コストは変わらないものの、販売価格も変わらないため、顧客を増やすほど利益が増える利益モデルとなっている。
そのために、KIYOラーニングは大量の広告宣伝費を投入しており、第二四半期で12億円(前年は11億円)と売上高の半分以上を広告費に投入している。KIYOラーニングの従業員数は112名。前年度末から+18名の増加となっている。約1.5年で従業員数は倍増している。KIYOラーニングの従業員の平均年齢は38歳、平均年収は650万円。
■KIYOラーニングの財務状況は?
KIYOラーニングの2024年6月30日時点の財務諸表をみると、現預金は29億円、無形固定資産2.6億円となっており、ほとんど資産をもっていない。負債をみると、有利子負債が約4.6億円、前受金が21億円(受講生からの前払金)となっている。財務的には健全だ。
■KIYOラーニングの株価推移は?
KIYOラーニングの時価総額は約28億円。2024年8月5日の利上げショックで株価は354円(現在は413円)と大きく下落したものの、他の銘柄にくらべて反発が弱い。株の出来高も大きく減っている。しかしながら、事業価値が約4億円しかないため、将来的に利益を稼げるようになると、時価総額は大きく改善することが予想される。
まずは赤字から黒字に転換したときに株価の評価が見直されるだろう。現時点では売上規模と広告宣伝費のバランスを取っている段階だ。
以 上