電力会社、水道会社などの料金支払いなどマルチペイメント(クレジットカード、コンビニ支払い等)に対応した支払いサービスを提供しているウェルネット。いまだにコンビニ決済が根強く残るなか、支払い手段の多様化でさまざまな支払いニーズを支えているウェルネット。今後の業績と株価の行方は?
■基本情報(2024年8月23日時点)
- 株価:875円(10年来高値:2,250円)
- 時価総額:170億円
- 予想PER:16.5倍
- PBR:1.99倍
- 予想配当利回り:3.02%
- 自己資本比率:30.5%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:12,376人(2023年6月30日時点)
- 事業価値:20億円
■ウェルネットの業績は?
ウェルネットの2024年6月期の売上高は101億円(前年比+7.5%増)、営業利益12.2億円(前年比+30.1%増)の増収増益。ウェルネットの売上総利益率は+21.1%(前年は+19.6%)、営業利益率は+12.0%(前年は+10.0%)と改善している。
ウェルネットの売上総利益は前年の18.5億円→21.4億円と+2.9億円の増加、販管費は前年の9.1億円→9.2億円と+0.1億円の増加となり、営業利益は+2.8億円の増加となった。
■ウェルネットの事業内容は?
ウェルネットはコンビニ決済など、さまざまな決済サービスを提供している。代表的なものは「支払秘書」というサービス。スマホアプリをインストールすることでコンビニ払込票の支払いが可能だ。最近ではPayPayでも支払いができるため、それと同じようなサービス。
また、会員サービス「ekaiin.com」というサービスを提供している。ロボットペイメントの「サブスクペイ」やメタップスの「会費ペイ」と同じようなサービスだ。
「サブスクペイ」のロボットペイメント、リカーリングで安定成長つづく!(2022年11月23日投稿)
現在は売り上げシェアの上昇、決済手数料価格改定などで業績改善段階に入っている。現状はEビリングと呼ばれる決済サービスが増えているものの、具体的なサービスは明示されていない。おそらく、マルチペイメントサービスと思われる。支払サービスは、いったん導入してもらうことができると簡単には置き換えができないサービス。取引量の増加とともに、業績は改善していくだろう。
■ウェルネットの財務状況は?
ウェルネットの2024年6月末の財務諸表をみると、現預金は166億円、有形資産は38億円(うち、土地が16億円)、差入保証金9.5億円となっている。負債をみると、有利子負債は17億円、収納代行預り金114億円、預り金42億円となっている。財務的には健全だ。
キャッシュフロー計算書をみると、営業CFは+26億円、投資CFは+3.3億円、財務CFは△3.9億円となり、現預金は+25.8億円の増加となった。事業規模が増えると、キャッシュフローが改善する仕組みだ。
■ウェルネットの株価推移は?
ウェルネットの時価総額は約170億円。株価指数的には割安感がある。株価チャートも右肩あがりのフェーズに入っており、成長感も期待できる。2024年8月14日に決算発表し、2025年6月期も2ケタ成長の業績予想だ。配当性向は50%としており、業績が上振れると、配当も増える仕組み。
ウェルネットの事業領域は、ソフトバンク、GMOペイメントなど大手なども多い。ただし、コンビニ収納のマルチペイメントサービスは特色のあるサービスでウェルネットの強み。
以 上