売上高急減の小田原エンジニアリング、EVの巻線の需要の行方は?

 自動車、家電製品、OA機器などに使われるモーターの巻線設備をつくっているのが小田原エンジニアリング。売上高が前年比△41.5%減と急減し、2024年8月5日の利上げショックの株価の戻りが悪い。いったい、EV市場にどのような事業状況で、なぜ巻線機械の販売が上手く行っていないのか?今後の業績と株価の行方は?

業績好調の小田原エンジニアリング、前受金が急増とEVの影響か?(2024年4月28日時点)

小田原エンジニアリング、電気自動車(EV)に必要なモーター用巻線設備の行方は?(2021年2月28日時点)

■基本情報(2024年8月23日時点)

  • 株価:1,504円(10年来高値:4,680円)
  • 時価総額:96億円
  • 予想PER:7.2倍
  • PBR:0.53倍
  • 予想配当利回り:3.32%
  • 自己資本比率:59.8%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:3,792人(2023年12月31日時点)
  • 事業価値:21億円

■小田原エンジニアリングの業績は?

 小田原エンジニアリングの2024年12月期の第二四半期の売上高は46.4億円(前年比△41.5%減)、営業利益4.7億円(前年比△64.4%減)の減収減益。小田原エンジニアリングの売上総利益率は+35.2%(前年は+31.0%)、営業利益率は+12.1%(前年は+13.5%)と粗利率は改善したものの、事業規模の減少により営業利益率は悪化となった。

 小田原エンジニアリングのの売上総利益は前年の26.0億円→16.9億円と△9.1億円の減少、販管費は前年の12.9億円→12.2億円と△0.7億円の減少となり、営業利益は△8.4億円の悪化となった。

■小田原エンジニアリングの事業状況は?

 電気自動車の巻線機を主力とする小田原エンジニアリング。電気自動車のBEV(Battery Electric Vehicle)を主力としているものの、最近はHEV(Hybrid Electric Vehicle)、PHEV(プラグインハイブリッド電気自動車)などへのシフトが目立っている。

 第一四半期は前年比△4割減の大きな売上高の落ち込みとなった。理由としては、電気自動車向けのモータ巻線システムの大型案件が顧客工場の引き渡しが完了しなかったことが要因だ。

 売上高は大きく苦戦しているものの、巻線機の受注残高は176億円と高水準を維持している。それにともない、前受金は90億円を受け取っている。足元の売上高は厳しいものの、高い受注残高があり、売上高が一気に計上されることで停滞している雰囲気が一掃される可能性もある。

■小田原エンジニアリングの株価推移は?

 小田原エンジニアリングの時価総額は約100億円。株価指標的には割安だ。小田原エンジニアリングはモーター巻線機の世界シェアは2017年時点で約17.7%で、世界各国に納入している。特に、電気自動車での需要が期待されており、今後の株価の成長にも期待したいところ。

以 上

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