メガネやサングラスなどの「Zoff(ゾフ)」ブランドで製造販売しているインターメスティック。インターメスティックという企業名は知らなくても、「JINS(ジンズ)」と並ぶ日本のメガネメーカー「Zoff」は聞いたことがあるだろう。業績は堅調であるものの、2025年2月から株価は下落トレンドに。トランプショックで株価は1,200円台まで一時下落となった。今後の業績と株価の行方は?
■基本情報(2025年4月25日時点)
- 株価:1,615円(10年来高値:2,810円)
- 時価総額:494億円
- 予想PER:13.1倍
- PBR:2.14倍
- 予想配当利回り:2.65%
- 自己資本比率:66.2%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:4,437人(2024年12月31日時点)
- 事業価値:322億円
■インターメスティックの業績は?
インターメスティックの2024年12月期の売上高は448億円(前年比+12.5%増)、営業利益50.1億円(前年比+43.3%増)の増収増益。インターメスティックの売上総利益率は+75.2%(前年は+72.7%)、営業利益率は+11.2%(前年は+8.8%)と前年比で改善となった。
インターメスティックの売上総利益は前年の290億円→337億円と+47億円の増加、販管費は前年の255億円→287億円と+32億円の増加となり、営業利益は+15億円となり、前年の35億円→50億円となった。
インターメスティックは販管費が大きいのが特徴で、人件費が売上高の約29%、店舗賃借料が約14%を占める。粗利が大きいものの、販管費がかかる利益構造となっている。言い換えると、EC事業が伸びれば利益構造は改善すると思われる。
■インターメスティックの事業状況は?
「Zoff」を展開しているインターメスティックは国内事業が全体の売上高の94%を占めている。海外事業は前年売上高20.9億円だったものの、今回は8.7億円と大きく減少している。収益改善のため、上海は撤退し、シンガポール事業はフランチャイズビジネスに転換したことが大きい。
インターメスティックの成長率は全体で+12.5%であるものの、国内事業だけみると前年比+16.4%の伸びとなっている。
インターメスティックは従業員数が1,824名(その内、契約社員やアルバイトは1,261名)となっている。従業員が多いため、昨今の賃上げムードにより、人件費の上昇が大きい。
■注視すべき既存店売上高
インターメスティックで注目すべきは既存店月次売上速報だ。前年比で毎回改善しているため、既存店の売上高が上昇しているのがプラス。その既存店に新規出店がプラスされていく事業構造だ。しかしながら、2025年1月~3月は前年にくらべて既存店の伸びが鈍化しているのが気になるところ。
「Zoff」は店舗だけでなく、自社ECやZOZOTOWN、Rakuten、Amazonなど他社ECモールでも販売している。
2024年度は出店18店舗、退店5店舗の純増+13店舗となり、期末時点での国内店舗数は307店舗となった。まだまだ、出店余地はあるだろう。
■2025年12月度の業績予想は?
2025年12月度は売上高493億円(前年比+10%増)、営業利益55億円(前年比+10%増)を計画している。インターメスティックは4Qで毎回、利益調整を実施しており、業績予想に上手く着地するように広告宣伝費などを織り込んでくる。 2025年12月度の販管費をみると、広告宣伝費が19億円→23億円と約3.7億円の増加を織り込んでいる。これはバッファと見ていてよいのではないだろうか。
2025年12月末時点で店舗数は+20店舗の327店舗を計画している。1Qですでに+3店舗となっており、残り17店舗の増加が必要だ。「Zoff」は一都三県+大阪に約53%出店しており、それ以外の地域への出店余地が大きいのが特徴。
■インターメスティックの株価推移は?
インターメスティックの時価総額は約490億円。メガネは日用品であり、定期的に購入するもの。「Zoff」にとっては、「JINS」とどこまで競争できるかがポイント。アイウェアは粗利率が高いため、いかにECを伸ばすかが利益構造改善のポイントになるだろう。

以 上