ソフトウェアテストの分野で高い成長をつづけているSHIFT(シフト)。SHIFTグループのエンジニア数は6,000人を突破し、2021年8月末時点で6,115名。SHIFTの重要指標である売上総利益率は30.2%と前年から1ポイント悪化したものの、売上高が前年比+60.2%増加したことにより売上総利益は約50億円増加となり、営業利益は前年比+15億円の増加となった。SHIFTの業績と株価の行方はどうなるのか?
ソフトウェアテストのSHIFT(シフト)、成長再加速で株価は上場来高値更新!(2021年7月10日投稿)
■基本情報(2021年10月22日時点)
- 株価:23,770円(10年来高値:29,040円)
- 時価総額:4,196億円
- 予想PER:112.5倍
- PBR:18.6倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:65.3%
- 会計基準:日本基準
■SHIFTの業績は?
SHIFTの2021年8月期の売上高は460億円(前年比+60.2%増)、営業利益39.9億円(前年比+69.8%増)の増収増益となった。SHIFTの売上総利益率は+30.2%(前年は+31.2%)、営業利益率は+8.7%(前年は+8.2%)。SHIFTの事業モデルでは営業利益率+15%を超えることは難しい。同業他社のポールトゥウィンやデジタルハーツも+10%前後となっており、利益構造的に営業利益率が+15%を超えることは難しい。
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ソフトウェア製品の不具合検出のデジタルハーツHD、安定成長つづく!(2021年7月11日投稿)
■SHIFTの売上構成は?
SHIFTはソフトウェアテストを中心に高付加価値サービスや開発案件などを手掛けている。基本的に受託した業務を自社のエンジニアに作業させる事業モデル。ポイントはいかに利益率の高い仕事を受注するか、利益率の高い受注の構成をいかに高めるかがポイントだ。
SHIFTは全体的に売上高が前年比+60%で増加しているため、表面的には成長性が非常に高いものの、中身の収益性には注意してみる必要がある。売上高全体の56.7%はテスト案件(売上総利益率は+32.8%)、利益率の高い高付加価値サービス(売上総利益率:+61.5%)の売上高比率は7.4%、開発案件(売上総利益率:+19.7%)の売上高比率は+35.9%となっている。
SHIFTの課題は売上総利益率(約20%)の低い開発案件の比率が26.6%→35.9%と増加している点だ。今後はいかに高付加価値サービスを増やしていくかが課題となる。
■SHIFTの株価は?
SHIFTの時価総額は約4,200億円。株価指標的には割高であるものの、最近の株式市場は成長性について過度に期待している傾向がある。成長鈍化が見えないかぎり、割高な水準であっても積極的に株価は買われていく傾向にある。
SHIFTの1株は約24,000円。どこかで株式分割の発表もあるかもしれない。本来、株式分割は株価の総数の変更であり、企業価値に影響しないはずであるが、日本では株式分割が発表されるとプラス材料として高騰するケースが多い。SHIFTの株価はまだまだ上昇するのだろうか。
以 上