ゲーム不具合検査のポールトゥウィン・ピットクルーHD、市況好調で成長つづく

 家庭用ゲームやスマートフォンアプリなどの不具合検査のポールトゥウィンとネット風評監視サービスのピットクルーを傘下に持つポールトゥウィン・ピットクルーホールディングス(以下、ポールトゥウィン)。ソフトウェアなどのデバッグ・検証事業は業界全体で追い風が吹いており、同業他社含めて前年比2ケタ成長がつづいている。ポールトゥウィンの業績と株価の動向はどうなるのか?

■基本情報(2021年7月9日時点)

  • 株価:1,023円(10年来高値:1,585円)
  • 時価総額:390億円
  • 予想PER:18.2倍
  • PBR:2.42倍
  • 予想配当利回り:1.36%
  • 自己資本比率:78.2%
  • 会計基準:日本基準

■ポールトゥウィンの業績は?

 ポールトゥウィンの2022年1月期の第一四半期の売上高は80億円(前年同期比+26.6%増)、営業利益8.3億円(前年同期比+36.9%増)の増収増益となった。ポールトゥウィンの売上総利益率は+27.8%(前年同期は+28.7%)、営業利益率は+10.4%(前年同期は+9.6%)とそれほど高いわけではない。

 ソフトウェア不具合検証の同業他社としては、SHIFT(シフト)、デジタルハーツなどがあり、だいたい売上総利益率+30%前後、営業利益率は1ケタ台となっている。ポールトゥウィンの営業利益率は同業他社にくらべても高いものであるものの株価の下落がつづいている。

ソフトウェア製品の不具合検出のデジタルハーツHD、安定成長つづく!(2021年7月11日投稿)

ソフトウェアテストのSHIFT(シフト)、成長再加速で株価は上場来高値更新!(2021年7月10日投稿)

■ポールトゥウィンの事業内容は?

 ポールトゥウィンの事業は、1994年に設立されてから家庭用ゲーム、スマートフォン向けアプリ・ゲーム、パチンコ・パチスロ機器、ソーシャルゲームなどの不具合検出や難易度バランスの調整などの調整業務や検証サービスなどをおこなっている。

 ホールディングス傘下のピットクルーは2000年の設立から、インターネット上の投稿チェック、ECサイトの不正対策、知的財産権の調査などインターネット環境の変化に対応したサービスを行っている。たとえば、掲示板・ブログ、SNSに投稿される画像・テキスト・動画のチェックなどのネットモニタリングサービスなど。また、ゲームやECサイトなどのカスタマーサービスのアウトソーシングもおこなっている。

■ポールトゥウィンの株価推移は?

 ポールトゥウィンの時価総額は約400億円(売上高300億円、営業利益34億円)。競合他社のSHIFTは売上高450億円、営業利益34億円で時価総額は約3,400億円。営業利益率だけを見ると、ポールトゥウィンのほうが利益率は高い。SHIFTとの違いは前年比での成長性だ。SHIFTは前年比+60%近い成長率となっており、投資家の注目を集めている。SHIFT株を機関投資家も積極的に買っており、「ひふみ投信」のレオスキャピタルワークスはじめ、海外の機関投資家も大量保有報告書を提出している。

 いっぽう、ポールトゥウィンは業績好調であるものの、年初来安値を更新している状況だ。株価はトレンドに引っ張られる傾向が強いため、流れにのっているSHIFTと下落トレンドのポールトゥウィンのファンダメンタルズ(基本的な業績など)をくらべても意味がない。ただし、将来的には業績を反映した株価に収斂(しゅうれん)されてくるはずだ。ソフトウェア検証の業界の株価だけの世界では、SHIFTの一人勝ちがつづいている。

(画像1)ポールトゥウィンの株価推移

以 上

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