米穀精米袋など包装資材や包装機械に強み、のむら産業!

 米穀精米袋を中心とした包装資材の企画開発・販売、米穀用自動計量包装機など包装事業と物流梱包事業をおこなっている、のむら産業。2021年12月2日に東証ジャスダックに上場(現在はスタンダード市場)。時価総額13億円と黒字であるものの、評価が低いのが特徴。1965年11月設立の老舗企業で従業員数は2021年10月末時点で88名(パートなど含む)。のむら産業の株価と業績の行方は?

■基本情報(2022年6月3日時点)

  • 株価:942円(10年来高値:1,125円)
  • 時価総額:13億円
  • 予想PER:6.3倍
  • PBR:1.06倍
  • 予想配当利回り:3.92%
  • 自己資本比率:39.7%
  • 会計基準:日本基準

■のむら産業の業績は?

 のむら産業の2022年10月期の第一四半期の売上高は11.6億円(前年同期比+5.0%増)、営業利益30百万円(前年同期比+32.8%増)の増収増益。のむら産業の売上総利益率は+24.3%、営業利益率は+2.6%。

 のむら産業の課題は低成長と低収益という状況だ。スタンダード市場に上場しているように、歴史があり、利益がでているものの、成長性と収益性が低く、今後の事業が爆発的に伸びるのは難しいと市場は見ている。

■のむら産業の事業内容は?

 のむら産業は包装関連事業(米穀中心の包装資材、包装機械)が売上高の約85%、残り15%は物流梱包事業となっている。米穀包装資材の業界シェアは14%、米穀包装機械の業界シェアは52%となっている。取引継続率が97%と高いのが特徴だ。

 精米など需要が安定しているのが強みであるものの、大きく成長する可能性が低いのも悩ましいところ。包装資材や包装機械の技術を派生させて、新規事業などに取り組めば、時価総額は一気に伸びる可能性はある。ただし、従業員数88名であり、その余力はない可能性は高い。

■のむら産業の過去の業績推移は?

 のむら産業の過去の売上高推移を見ると、2019年10月期は50.5億円、2020年10月期は49億円、2021年10月期は50.7億円と50億円前後の事業規模だ。年間の経常利益は約3億円前後で推移している。

 2022年3月22日には自己株式15.4万株(約1.5億円)を消却している。発行済み株式の10%を消却し、理論上は株価に+10%の効果を与えた。2022年6月3日には2022年10月期の第二四半期の業績予想を上方修正し、半期で2億円の利益を出すことが見えている。のむら産業は予想配当利回りや自己株式消却など株主還元に積極的であるものの、現時点では株価は低迷中だ。とにかく、人気がない・知名度がない、という点に尽きる。

■のむら産業の株価推移は?

 のむら産業の時価総額は13億円と小さい。これ以上、株価が下がるリスクは小さいものの、成長する期待感も薄い。もしかすると、一時的な過熱化で50億円くらいまで株価上昇する可能性あるものの、新規事業の参入などで事業規模のベースをあげていかないと長期的な株価の成長は描きにくい。

 売上総利益率や営業利益率をみても、なんとか利益は出しているものの、収益性は低いと言えるだろう。心配されるのは、ここ最近の原材料価格の高騰だ。のむら産業が顧客に価格転嫁できなければ、利益率がさらに下がる可能性もありえる。課題はあるものの、将来の人気化を期待して保有するのもアリだろう。配当利回りも3.0%を超えており、長期保有で問題ない銘柄のひとつ。

(画像1)のむら産業の株価推移

以 上

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする