化粧品口コミサイト「@コスメ」を展開するアイスタイル(3660)の行く先は?

化粧品口コミサイト「@コスメ」を展開するアイスタイル(3660)の行く先は?

 20~30代向けの化粧品口コミサイトを展開するアイスタイル。女性向けの美容サイトを展開しているなら業績絶好調と思いきや、アイスタイルは苦戦中。一般的にインターネット企業はすさまじい急成長は見せるものの、新しい競合のサービスに顧客を奪われ、数年で苦しい状況に陥る企業も少なくない。アイスタイルは現在、急成長後の業績停滞期で、どのようにして再成長を目指すか模索中だ。

■基本情報(2020年5月29日時点)

  • 株価:308円
  • 時価総額:210億円
  • 予想PER:-(赤字)
  • PBR:3.29倍
  • 予想配当利回り:0%

■裏目にでた新規事業!今後の挽回は?

 「@コスメ(アットコスメ)」を展開しているアイスタイル。過去10年の売上高推移をみると、まさに急成長を続けてきた代表企業のひとつ。しかしながら、2019年6月期から状況は一転。売上高は増えるものの利益はでない。

 アイスタイルは、4つのセグメントで事業を行っている。ひとつは、化粧品口コミサイト「@コスメ」の広告や化粧品会社向けのマーケティング支援「ブランドオフィシャル」という情報(データベース)の提供をするメディア・広告事業(On Platform)。このメディア・広告事業は堅調な業績を出している。

 もうひとつは、化粧品専門ECサイト「@コスメSHOPPING」や実店舗「@コスメSTORE」を展開する小売事業(Beauty Service)だ。アイスタイルが苦戦している要因は、この小売事業と海外事業が大きな赤字を出しているからだ。

 もともとのメディア・広告事業は高収益で営業利益率15%を超えるものの、ほかの事業が足を引っ張ている状況。新しい事業に参入したことにより、固定費が高くなり、会社全体でうまく採算があわなくなってしまった。

■新型コロナウイルスも直撃!海外や店舗事業は?

 小売や海外が苦戦するなか、2020年2月頃からは新型コロナウイルスの影響が直撃し、インバウンド需要は急減。国内で24店舗を展開する「@コスメSTORE」は時短営業や休業など大きな痛手となった。中国、香港、タイでも時短営業や休業により、業績面では大きなマイナスだ。

■メディア・広告事業は堅調!

 アイスタイル全体をみると、成長は鈍化して赤字に突入。いっぽう、メディア・広告事業は、2020年6月期予想をみると売上高76億円、営業利益14.5億円と高収益率を維持している。

「@コスメ」は登録会員数540万人、月間ユニークユーザー数は1,330万人、登録ブランドは3.4万ブランドと日本最大級の美容系総合サイトだ。この「@コスメ」のデーターベースを使って、EC(ネット通販)、リアル店舗販売、海外展開と新規事業に展開をつづけてきたものの、歯車がうまくマッチしない状況がつづいている。

 もっとも心配な点は、「@コスメ」の月間ユニークユーザー数が下落傾向であること。アイスタイルによると、検索サイトであるグーグル(Google)のアルゴリズム変更の影響など、としているものの、事業の柱である「@コスメ」の利用者が減ることは今後の業績に大きくかかわってくるので、引き続き注意が必要だ。

■アイスタイルの株価推移は?

 アイスタイルの株価推移は下落トレンドがつづいている。2018年3月に株価1,807円をつけてから、現在では高値の6分の1くらいの300円前後まで下落。もし、店舗出店や海外事業をしていなかったら、ここまで株価の低迷は起こらなかったかもしれない。

 物販を始めた影響で、人件費を中心に販管費(固定費)は大幅増加。年間売上高300億円規模の会社で従業員数が1,400人、売上高の半分以上は物販となり、すでにIT・ネット企業とは言えない。仮に、メディア・広告事業とその他の事業が切り離されたら、株価は大きく上昇と考える。経営陣の経営判断をどうするか、引き続き注目したい。

以 上