クラウド導入支援のテラスカイ(3915)、高成長で株価の行方は?

 セールスフォースとAWS(Amazon Web Services)などのクラウドシステム導入支援のテラスカイ。売上高は毎年、+30%以上で成長中。現在の営業利益率はそれほど高くないものの、売上高の増加にともなって営業利益率の改善が期待できるイチ押し企業。現在の時価総額は約360億円。実績を出して投資家の注目を集めれば、2~3倍の株価上昇を期待できる銘柄だ。

■基本情報(2020年5月29日時点)

  • 株価:2,841円
  • 時価総額:359億円
  • 予想PER:161.6倍
  • PBR:3.96倍
  • 予想配当利回り:0%

■サブスク型(継続課金)事業、拡大の可能性は?

 テラスカイは、主にセールスフォースとAWS(Amazonが提供するwebサービス)の導入支援をおこなっている。売上高の構成をみると、ソリューション事業と製品事業に分かれている。売上高の約80%はソリューション事業だ。テラスカイの営業利益もソリューション事業が全体の80%ほどを稼いでいる。

 株式市場では「サブスク型(継続課金型)」の企業が注目されている。たとえば、名刺共有のSansan(サンサン)はテラスカイとそれほど変わらない売上高の規模であるものの、時価総額はなんと1,700億円(テラスカイは360億円)。経費精算などのクラウドサービスを提供するラクスの時価総額は1,950億円。企業価値である株価が高く評価されるポイントは「サブスク型」であること。

 テラスカイの決算説明資料を見ると、製品事業(売上高は全体の20%)の半分は「サブスク型」の事業となっている。言い換えると、テラスカイの株価が高く評価されていない理由としては、安定的に稼げるビジネスモデル(仕組み)ではないからだ。たしかに、継続課金で安定的に成長できる企業には、投資家からすると安心して資金を置いておくことができる(長期投資が可能)。

■テラスカイを知る!サーバーワークスも

 テラスカイに注目する理由は、「成長市場」にいる点だ。「国内パブリッククラウドサービス」と呼ばれる企業向けのクラウドサービスの2019年の市場規模は約8,800億円。2024年には2兆円規模になると言われており、テラスカイは追い風を受けて事業をすることができる。

 テラスカイは、東証マザーズに上場するサーバーワークスの19%の株式を保有している。サーバーワークスの2020年5月29日時点の時価総額は約600億円のため、その保有価値だけで約120億円となる。どこかのタイミングでサーバーワークスの有価証券売却となれば、サーバーワークスが株価を維持している前提であるが、大きな特別利益が発生する点に留意が必要だ。

■テラスカイの株価推移は?

 テラスカイの株価は大きなボックスレンジで動いている。テラスカイは2015年4月に上場してから株価が急騰した過去はない。言い換えると、今後は株価急騰する場面が出る可能性がある。まずは上場来高値の3,750円を目標とし、そこを抜けると、成長性がどこかまで株価に織り込まれるかの勝負となる。

以 上

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