愛知県中心に中古車販売を展開するグッドスピード(7676)、コロナショックを乗り切れるか?

 愛知県を中心に19店舗の中古車の販売専門店を展開するグッドスピード。これまで順調に事業規模の拡大をはたし、2019年4月に東証マザーズに上場。上場時の公募増資により7.7億円を調達(55万株×1,400円/株)。2020年1月に株式分割(1株→2株)を実施しているため、公募増資時の株価は実質、1株あたり700円。現在は900円前後のため、上場時よりも株価は上昇しているものの苦戦中。今後のグッドスピードの株価の行方は?

■基本情報(2020年6月19日時点)

  • 株価:935円
  • 時価総額:29億円
  • 予想PER:-(未定)
  • PBR:1.98倍
  • 予想配当利回り:-(未定、1株あたり7円)
  • 自己資本比率:9.1%(2020年3月31日時点)

■グッドスピードの事業内容は?

 グッドスピードは2002月8月創業。愛知県を中心に中古車販売店や輸入車販売店を展開している勢いある企業だ。中古車ではSUVとミニバンを中心に取り扱い、2020年5月13日時点で15店舗を展開。4店舗の輸入車専門店ではアメリカ車、MINI、メルセデス・ベンツ、BMWを中心に扱っている。

 売上高の約9割は中古車販売、残りは中古車オークション(オートオークション)への卸売や自動車メンテナンス(整備など)、保険代理店、レンタカーなどだ。愛知県を中心に出店することで、約2,7000台を超える在庫車両を効率的に販売できることが強み。

 グッドスピードの2019年9月期の売上高は324億円(前年比+42.4%)、営業利益4.1億円(前年比+102.1%)と増収増益。ところが、2020年9月期の第二四半期(2019年10月~2020年3月)は売上高161億円(前年同期比+8.6%)、営業利益1.0億円(前年同期比△51.5%)と増収は維持したものの、大幅な減益となった。新型コロナウイルスの影響がどこまで中古車販売に影響するか不透明な状況がつづく。グッドスピードは営業利益率が低いため、ここから売上高が落ち込むと赤字になる可能性がある。

■心配なグッドスピードの自己資本比率の低さ!

 グッドスピードで心配されるのは自己資本比率が10%を割っている点だ。2019年4月の上場時、7.7億円しか公募増資で調達しておらず、コロナショック前から低い自己資本比率は気になっていた。中古車販売のビジネスは販売がうまくいかないと在庫が高止まりし、資金繰りの悪化がでてくる。グッドスピードの有利子負債は110億円ほどある一方、現預金は10億円ちょっと。

 グッドスピードは2020年3月31日に借入枠32.4億円を、みずほ銀行を中心とした10金融機関と共同で設定。これにより当面の資金繰りに少し余裕はでたものの、引き続き慎重に様子を見る必要がある。

 借入ではなく新たな公募増資の可能性はどうか?グッドスピードの時価総額は約29億円。もし10億円の公募増資を実施した場合、30%~50%の株式の希薄化が生じる可能性がある。経営陣としては借入枠32.4億円でなんとか乗り切りたいはずだ。上場時にもう少し公募増資の割合を増やしてもよかったのではないか?

■グッドスピードの株価推移は?

 グッドスピードの株価は、上場直後から2,000円を超える上昇をしたものの、下落トレンドがつづいている。2020年2月~3月のコロナショックにより株価は急落し、現在まではその反動で反発中。個人投資家で有名な弐億氏がコロナショック前に購入したものの、現在ではすでに売り抜けている状況。業績悪化の懸念が消えないなか、なかなか買いで入りづらい状況はつづく。

以 上

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