「ドラゴンクエストタクト」開発のAiming、グローバル版の期待も高まる!

 スマートフォン向けの大規模大人数接続型ゲームを得意とするAiming。2020年7月にサービス開始した「ドラゴンクエストタクト」が好調だ。Aimingの売上高は2020年7月~9月の3か月で57.6億円の売上高を計上し、大幅な営業黒字を達成した。いっぽうで、Aimingの株価は「ドラゴンクエストタクト」発表時に高値をつけ、現在は高値時から半値以下まで下落している。Aimingの今後の株価の行方はどうなるのか?

■基本情報(2020年12月25日時点)

  • 株価:399円
  • 時価総額:158億円
  • 予想PER:12.0倍
  • PBR:3.62倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:74.5%
  • 会計基準:日本基準

■Aimingの業績は?

 Aimingの2020年12月期の第三四半期の売上高は81.9億円(前年同期比+92.8%増)、営業利益は12.6億円(前年同期は△6.7億円の営業赤字)と大幅な増収黒字転換となった。この業績を引っ張ったのは、2020年7月にサービスを開始した「ドラゴンクエストタクト」だ。運営はスクウェア・エニックスとAimingが行い、開発はAimingが行っている。「ドラゴンクエストタクト」はGoogle Playベスト オブ2020のエキサイティング部門大賞を受賞したヒット作品だ。

 Aimingの2020年7月~9月の売上総利益額は38.4億円(売上総利益率66.6%)となり、販売管理費24億円をおおきく上回り、黒字転換を果たしている。同時に2020年10月~12月は前四半期比で△23億円の減収を予想し、これがキッカケのひとつとなり株価は下落基調にはいった。

■Aimingの業績を引っ張る「DQタクト」!

  「ドラゴンクエストタクト」はタクティカルRPGというジャンルで、プレイヤーは最大5体の仲間キャラクターを指揮してゲームを進めるというもの。昔からのドラゴンクエストと仕組み的には同じ進め方だ。ここ最近ではスクウェア・エニックスとコロプラによって開発された「ドラゴンクエストウォーク」(位置情報RPG)が注目を集めたものの、引き続きドラゴンクエストシリーズは人気が高い。

■Aimingの販売管理費の推移を見ると?

 Aimingの販売管理費の推移をみると、プラットフォーム手数料とロイヤリティが大きく増加している。プラットフォーム手数料はAppleやGoogleに支払うスマートフォン課金手数料、ロイヤリティは企画・制作を担当したスクウェア・エニックスに支払う売上高に対する報奨金に相当する。「ドラゴンクエストタクト」は実質的には、Aimingがほとんど運営を担っているのかもしれない。

■Aimingのビジネスモデルは?

 Aimingはスマートフォン向けに、大規模大人数接続型ゲーム(Massively Multiplayer Online:MMO)を提供し、ゲーム内課金で収益をあげるビジネスモデルをとっている。そのため、消費者にいかに長期間、遊んでもらえれるゲームを数多く作れるかが勝負の行方を左右している。すでにスマートフォン向けのゲームは競争が過激化しており、1本のゲームを開発するのに10億円前後かかるケースも少なくない。まさにヒットタイトルが出るかどうかが企業の業績を決める。

■Aimingの株価推移、今後の行方は?

 Aimingの時価総額は約160億円。ここ最近はスマートフォン向けゲームを開発するゲーム銘柄の株価に勢いはない。競合他社にあたるミクシィ、グリー、DeNA、gumiやマイネット、コロプラなど株価は低迷している。いっぽうで、スクウェア・エニックス、カプコン、コーエーテクモ、バイダイナムコなどの大手ゲームメーカー(大型株)の株価は好調だ。

 もう少し、Aimingの株価は評価されてもおかしくないが、次のヒットタイトルの行方が見えず、株価は材料出尽くしというように下落トレンドがつづいている。Aimingに期待されるのは「ドラゴンクエストタクト」のグローバル展開。世界的に話題に上がれば、業績だけでなく株価も急騰はず。ひっそりと応援をつづけたい。

(画像5)Aimingの株価推移

以 上

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