パーソナルジムのRIZAP(ライザップ)からchocoZAPを稼働させ、店舗数は1,160店舗を稼働させているRIZAPグループ(以下、ライザップ)。全国都道府県40で展開しているchocoZAP。いつの間にか周りの人で加入している人もチラホラでてきている。何より価格が安い。総合スポーツクラブは高齢者が非常に多いのも、代替需要としてニーズが生まれているからだろうか。なお、ライザップは東証に上場しているのではなく、札証アンビシャスに上場している。
■基本情報(2023年12月1日時点)
- 株価:322円(10年来高値:1,545円)
- 時価総額:1,791億円
- 予想PER:ー
- PBR:14.99倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:7.7%(リース会計影響除:13.4%)
- 会計基準:IFRS基準
- 株主数:101,661人(2023年3月31日時点)
■ライザップの業績は?
ライザップの2024年3月期の第二四半期の売上高は810億円(前年比+5.3%増)、営業利益△57.9億円(前年は+2.3億円)と増収赤字転落となった。ライザップの売上総利益率は+47.2%(前年は+44.6%)と改善している。
ライザップの売上総利益は前年の343億円→383億円と+40億円の増加、販管費は348億円→437億円と+89億円の増加となり、差し引きで△49億円の悪化となった。さらに、その他の収益・費用を考慮し、営業利益は前年の+2.3億円→△57.9億円と大きく悪化した。
■ライザップの事業内容は?
ライザップはボディメイク事業、chocoZAP事業などを実施。また、トレカ事業、エンタメ事業などを行うREXT、アパレルのアンティローザ、キッチン製品のBRUNO(ブルーノ)、女性用下着メーカーのMRKホールディングスなど数多くの事業をおこなっている。
いま、ライザップがもっとも力をいれているのはchocoZAPだ。2018年以降、ライザップは10事業を売却し、その資金でchocoZAPに大きく投資している。
■chocoZAPの事業状況は?
ライザップは2022年度にchocoZAPをスタートし、約2年間で会員数は100万人を突破している。月額税抜きで2,980円と格安だ。ジム、セルフ脱毛、マッサージチェア、セルフネイル、セルフホワイトニングなど通常のジムの領域を超えている。
業界首位のエニタイムフィットネスの81万人、カーブスの77万人を突破している。総合スポーツクラブであるルネサンスの39.1万人、セントラルスポーツの33.8万人を見ても、大きく差をつけていることがわかる。
堅調な成長の「エニタイムフィットネス」、高い成長性と収益力!(2022年2月20日投稿)
「女性だけの30分フィットネス」展開のカーブス!プロテイン販売で経営を支える(2021年4月29日投稿)
プロテイン販売が支えるカーブスの業績、コロナ禍の戦略は?(2022年2月5日投稿)
現在のchocoZAPの店舗数は1,160店舗で、全国40都道府県に出店している。chocoZAPの退会率は0.62%と非常に低く、週1回以上の来館者が8割超になっている。インターネットの掲示板などをみると、マシンの故障が多いとコメントを見るものの、現在はかなり改善しているようだ。
■ライザップの財務状況は?
ライザップの2023年9月末時点の財務諸表をみると、現預金は161億円、棚卸資産296億円、有形固定資産は297億円、のれん等は400億円となっている。負債は、有利子負債は約900億円となっている。純資産は119億円あるものの、利益剰余金は△164億円となっている。
なお、ライザップは2018年5月に394億円の増資をしており、そのときに増資を引き受けた人は大きな含み損をかかえているだろう。
■ライザップの株価推移は?
ライザップの時価総額は約1,800億円。年間売上高は1,720億円、営業利益は赤字の計画。これくらいの時価総額があるなら、営業利益は100億円くらいはほしいところ。chocoZAPへの期待感はあるものの、本当に利益がでるビジネスになるか疑心暗鬼というのが投資家の本音だろう。
以 上