太陽光PPAに強みを持つテスホールディングス、増資後の事業プランは?

 太陽光発電や自家消費型のオンサイトPPA(Power Purchase agreement)などの拡充で成長を目指す再生可能エネルギー事業者のテスホールディングス(TESS Holdings)。1979年5月創業の老舗企業。再生可能エネルギーだけでなく、エネルギープラントやユーティリティ設備の設計、調達、施工など一環で行うEPC事業なども行っている。2023年6月に株主無償割当による新株予約権を発行し、最終的に134億円を調達している。今後のビジネスの行方は?

再生可能エネルギーのテスホールディングス、オンサイトPPAの拡充が目立つ!(2023年4月30日投稿)

■基本情報(2023年12月1日時点)

  • 株価:438円(10年来高値:1,970円)
  • 時価総額:309億円
  • 予想PER:8.3倍
  • PBR:0.74倍
  • 予想配当利回り:3.65%
  • 自己資本比率:38.5%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:12,266人(2023年6月30日時点)

■テスホールディングスの業績は?

 テスホールディングスの2024年6月期の第一四半期の売上高は62.2億円(前年比△25.3%減)、営業利益7.1億円(前年比△53.2%減)の減収減益となった。主な売上減の要因は、前期に自社太陽光発電所9件を売却したことが大きな要因だ。テスホールディングスの売上総利益率は+27.9%(前年は+29.6%)、営業利益率は+11.5%(前年は+18.4%)と悪化している。

 テスホールディングスの前年の売上総利益は24.7億円→17.3億円と△7.4億円の減少、販管費は前年の9.4億円→10.2億円と+0.8億円の増加となり、営業利益は15.3億円→7.2億円と△8.1億円の減益となった。

■テスホールディングスの事業状況は?

 ここ最近、カーボンニュートラルや脱炭素というキーワードを聞くことが増え、テスホールディングスの事業ニーズは高まっているはず。いったい、テスホールディングスに何が起こっているのか?

 売上高の内訳偏差をみると、エンジニアリング事業が前年の30.9億円→15.4億円と大きく売上高が減少している。再エネEPC(開発型)の案件がゼロだったため、そこで10.2億円の偏差になっている。省エネなどの売上高が減っている。

 エネルギーサプライ事業は前期の52.3億円→46.9億円と売上高が減っており、すでに言及した自社太陽光発電9件の売却の影響が大きい。なぜ、自社太陽光発電を売却したかは過去の資料で明記されていないが、2023年6月期の計画達成のためだと推測する。その結果、今回の新株予約権の発行につながり、約135億円の資金調達につながったのではないだろうか。

■エンジニアリング事業の停滞

 テスホールディングスの業績をみると、エンジニアリング事業が大きく落ち込んでいる。前期は自社太陽光発電9件の売却で売上高をなんとか計上したものの、開発再エネの規模が大きく減っている。

 いっぽうで2023年9月末の受注残高は118億円(前年同期は73億円)と大きく増えている。中身としては、太陽光発電設備が多い。

■財務状況は?

 テスホールディングスの2023年9月末の財務諸表をみると、現預金は264億円、前渡金41億円、有形固定資産は519億円、のれん他は79億円となっている。負債は、有利子負債が約550億円となっている。財務的には増資をして健全であるものの、設備投資が大きい事業モデルである。

■テスホールディングスの株価推移は?

 テスホールディングスの時価総額は約300億円。株価指標的には予想PERは8.3倍、配当利回り3.65%と割安感はあるものの、本当に今期の事業予想を達成できるか不安な面が大きい。再エネ関連企業はイーレックス、レノバ、エフオンなど株価が大きく下がっている。テーマ的にはブームが一度終わった銘柄テーマ。ただし、再エネやカーボンニュートラルのテーマはなくならないため、どこかで再度浮上するのではないだろうか。

過去最高益のレノバ、特殊要因による一時利益約100億円計上!(2021年5月16日投稿)

再生可能エネルギーのイーレックス、JEPX価格で変動する利益!(2021年8月29日投稿)

(画像1)テスホールディングスの株価推移

以 上

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする