eギフトプラットフォーム事業のギフティ、全国旅行支援などが業績後押し!

 「eギフトプラットフォーム事業」として、gifteeサービス(個人向け)、giftee for Businessサービス(法人向け)、全国旅行支援関係の地域通貨サービスなどを展開しているギフティ(giftee)。前年の第一四半期はコロナの影響で旅行関係が落ち込んでいたため業績が良くなかったものの、コロナの5類感染症への移行に伴い、完全なアフターコロナに入り、ギフティの業績を後押ししている。今後の株価と業績の行方はどうなるのか?

「eギフトプラットフォーム」のギフティ、地域通貨サービス特需消える!(2022年2月26日投稿)

eギフトのギフティ(giftee)、商品券、サンプリング、贈り物のデジタル化推進!(2021年4月11日投稿)

■基本情報(2023年6月2日時点)

  • 株価:1,978円(10年来高値:4,870円)
  • 時価総額:577億円
  • 予想PER:144.2倍
  • PBR:7.32倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:38.1%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:6,331人(2022年12月31日時点)

■ギフティの業績は?

 ギフティの2023年12月期の第一四半期の売上高は19.6億円(前年同期比+80.5%増)、営業利益7.2億円(前年同期比+409%増)の増収増益。ギフティの売上総利益率は+86.2%(前年は+84.5%)、営業利益率は+36.9%(前年は+13.1%)と大きく改善している。

 ギフティの売上総利益は前年9.2億円→16.9億円と+7.7億円の増加、販管費は前年の7.8億円→9.7億円と+1.9億円の増加にとどまり、営業利益は+5.8億円の増加となった。

 売上高の内訳をみると、法人向けのgiftee for Businessが前四半期の6.8億円→9.4億円に伸びていること、地域通貨サービスが全国旅行支援の影響で前四半期の1.6億円→5.0億円と大きく伸びていることが業績回復の要因だ。

■ギフティの事業状況は?

 ギフティの事業は好調だ。しかしながら、全国旅行支援が段階的に終了することが見えており、地域通貨サービスの旅行関係(12県に提供)の売上減が発生することは確実だ(旅行以外にも地域プレミアム商品券も提供している)。現在の事業を支えているgiftee for Businessについては、法人契約社数は971社(前年同期は724社)まで増加しており、堅調に案件も増えている。

 ギフティはITサービスであるものの、決済サービス会社と同じように金融サービス的な面があり、いかに流通総額を増やすかが事業のポイント。流通高が増えることで原価が高くなることもない手数料ビジネスのため、成長するときは大きく伸びる。

 今後は政府経済支援策(補助金)として、出産子育て支援金、節電プログラム参加要請施策、電子申請促進施策(マイナンバーカード取得)なども協力して取り組んでいる。

■顧客にとってのメリット

 ギフティを活用することは顧客のメリットも大きい。従来は郵送などでクーポンなどを送付していたり、金券を送付していたものの、ギフティを活用することでEメールやLINEを活用できる。そのため、郵送コストがゼロになるメリットがある。

 また、未使用のものなどはコストが発生しない利点がある。物理的に提供してしまうと、譲渡なども発生して、そのギフトが企業(顧客)のコストになる可能性が高まるものの、Eギフトであれば未使用であれば費用は発生しない。

■ギフティの財務状況は?

 2023年3月末時点のギフティの財務状況をみると、現預金は107億円、のれん18億円、投資有価証券34億円。有利子負債は約82億円のため、財務的には問題ない。2021年12月に100億円の資金調達をしており、新株予約権付社債で70億円、増資で30億円を調達している。

 2022年度のギフティのキャッシュフロー計算書をみると、営業CFは+4.2億円、投資CFは投資有価証券の取得による△10.9億円があり合計で△13.7億円、財務CFは△0.6億円となり、現預金は110億円→100億円と△10億円となっている。

■ギフティの株価推移は?

 ギフティの時価総額は約580億円。高い利益率と成長期待が株価に織り込まれている。ギフティのサービスとして、株主優待などの電子化などサービス領域の拡大余地は高い。現在のgifteeサービスの会員数は196万人、サービス発行パートナーは1,456社。

 ギフティの強みは、まさに競合と言えるライバルがいない点だ。もちろん、物理的なギフトチケットや株主優待サービスなどのカタログ商品などあるものの、総合的に企業の販促サポートやeギフトをサポートしている企業はない。事業領域での強みが株価に表れていると言えるだろう。

(画像1)ギフティの株価推移

以 上

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