フォトウェディングや成人式フォトサービス「NALU(ナル)」などライフイベントの写真サービス事業を展開しているデコルテ・ホールディングス(以下、デコルテ)。株価の低迷がつづいており、株価指標の割安感は目立つものの人気がない。今後の業績と株価の行方は?
前年比減益のデコルテ・ホールディングス、出店加速で固定費増がひびく!(2023年8月5日投稿)
フォトウエディングのデコルテ・ホールディングス、事業の実力はどうか?成長つづくか?(2023年6月11日投稿)
■基本情報(2023年11月24日時点)
- 株価:643円(10年来高値:1,680円)
- 時価総額:36億円
- 予想PER:5.6倍
- PBR:0.68倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:34.9%
- 会計基準:IFRS基準
- 株主数:3,453人(2022年9月30日時点)
■デコルテの業績は?
デコルテの2023年9月期の売上高は58.5億円(前年比+10.0%増)、営業利益8.9億円(前年比△35.3%減)の増収減益となった。前年は固定資産譲渡の利益が発生しており、その影響を除くと、営業利益は前年の9.9億円→8.9億円と△1.0億円の減益となった。
デコルテの売上総利益率は+39.9%(前年は+41.8%)、営業利益率は+15.2%(前年は+18.5%)と悪化している。デコルテの売上総利益は前年の22.2億円→23.3億円と+1.1億円の増加、販管費は前年の12.8億円→14.5億円と+1.7億円の増加となり、差し引きで営業利益は△0.6億円の悪化。このほかに、その他収益・費用を入れると、営業利益は前年の13.8億円→8.9億円と△4.9億円の悪化となった。
■デコルテの事業状況は?
デコルテは売上高は前年比+10.2%増、単価は+12.8%増、件数は前年比△2.3%悪化となっている。単価はあがったものの、顧客数が減っている状況だ。2023年9月期は新規出店7店舗(フォトウエディング4店舗、アニバーサリーフォト3店舗)。
また、MIXI(ミクシィ)と協業して、「スマホで写真年賀状」「写真でつくるカレンダー」などのサービスを展開のため取り組んでいる。
■デコルテの中計は?
デコルテの中計をみると、2026年9月期には売上高95.5億円、営業利益16.6億円、営業利益率+17.4%を目指す。店舗数をかなり増やさないと実現はむずかしそうだ。
デコルテの2023年9月末時点のフォトグラファー数は158名、メイクアップアーティストは151名となっている。
■デコルテの財務状況は?
デコルテの2023年9月末の財務諸表をみると、現預金は8.1億円、のれん等は104億円、有形固定資産は13.1億円となっている。負債は、有利子負債が約30億円、リース負債が46億円となっている。利益剰余金は24億円あり、純資産は47億円と余裕がある。しかしながら、のれん等を減損した場合、一気に債務超過になるリスクがあることに注意が必要だ。
デコルテのキャッシュフロー計算書をみると、営業CFは+12.4億円、投資CFは+7.3億円、財務CFは△10.5億円となっている。
■デコルテの株価推移は?
デコルテの時価総額は約36億円。株価指標的には割安であるものの、のれん等の負担が大きく、当面は配当がでないことも投資が敬遠されている理由だろうか。さすがに、年間で10億円ほど営業利益を稼ぎ、営業利益率+10%を超えているので、時価総額100億円くらいを目指すのではないだろうか。
以 上