電気工事、エアコン工事、防犯灯工事、インターホン工事など「暮らしの困りごと」を解決するための送客プラットフォーム「生活110番」などを運営しているシェアリングテクノロジー。一時は株価が落ち込んでいたものの、10倍近くも反発している状況だ。今後のシェアリングテクノロジーの業績と株価の行方は?
■基本情報(2023年11月24日時点)
- 株価:766円(10年来高値:2,753円)
- 時価総額:171億円
- 予想PER:未定
- PBR:7.83倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:52.9%
- 会計基準:IFRS基準
- 株主数:7,589人(2022年9月30日時点)
■シェアリングテクノロジーの業績は?
シェアリングテクノロジーの2023年9月期の売上高は62.3億円(前年比+40.6%増)、営業利益12.4億円(前年比+2.1倍)の大幅な増収増益となった。シェアリングテクノロジーの売上総利益率は+93.5%(前年は+96.1%)、営業利益率は+19.9%(前年は+9.1%)と高い水準になっている。
シェアリングテクノロジーの売上総利益は前年の42.6億円→58.2億円と+15.6億円の増加、販管費は前年の38.7億円→45.8億円と+7.1億円の増加となり、差し引きで営業利益は+8.5億円の改善となった。
■シェアリングテクノロジーの事業内容は?
シェアリングテクノロジーの事業内容を知っている人はそれほど多くないだろう。「生活110番」というサイトを運営しており、電気工事、照明工事など持ち家の課題を中心に、小規模事業者(全国6,200加盟店)とつなぐプラットフォームサイトを運営している。このマッチングにより手数料を徴収するビジネスモデルだ。
たしかに、照明の取替は自分でできるものの、直付けの蛍光灯をLED照明に変更したい場合など、自分で対応することができず、電気工事会社に頼む必要がある。ビッグカメラ、ヨドバシカメラなどでも一部対応しているものの、あまり電気工事の仲介に積極的ではない。言われてみると、大きな需要のある領域だ。
それらの領域に、24時間365時間受付のコールセンター、日本全国対応などでシェアリングテクノロジーは付加価値を提供している。
■シェアリングテクノロジーの財務状況は?
シェアリングテクノロジーは東証マザーズに上場後、数多くの企業を買収している。いまの事業は複合的な会社の集まりをプラットフォームに統合した形だ。シェアリングテクノロジーの2023年9月末の財務諸表をみると、現預金は18.5億円、のれん・使用権資産など約8億円、繰延税資産2.4億円となっている。負債は、約1億円で財務的には健全だ。
シェアリングテクノロジーのキャッシュフロー計算書をみると、営業CFは+14.8億円、投資CFは△16百万円、財務CFは負債の返済などあり△6.0億円で現預金は+8.9億円の増加となっている。プラットフォーム事業のため、投資がほとんどいらないのが利益構造だ。
■シェアリングテクノロジーの株価推移は?
シェアリングテクノロジーの時価総額は約170億円。2018年10月に時価総額は約500億円を超えたものの、2022年1月に時価総額は20億円くらいまで急落、現在は170億円くらいまで回復している。かなりジェットコースターな株価の推移だ。
いまのシェアリングテクノロジーは成長性、収益性も高く、株価チャートをみても右肩上がりになっており、時価総額も300億円を超える可能性も十分ありえるだろう。決算説明資料には総取扱高(GMV)など、もう少し情報を豊富にしてほしい。
以 上