資産アドバイザー(IFA)のブロードマインド、クレディセゾンと資本業務提携も!

 資産アドバイザー事業を展開しているブロードマインド。2002年1月設立、従業員数は252名。店舗を持たない生命保険を中心とした独立系資産アドバイザーというビジネスを展開している。2022年8月12日にクレディセゾンと資本業務提携を発表し、クレディセゾンが大株主に台頭した。定年後の資産など資産運用に注目が集まってきており、ブロードマインドにとっては追い風か?

資産アドバイザーのブロードマインド、無店舗型の保険ショップ!?(2021年9月21日投稿)

■基本情報(2022年9月22日時点)

  • 株価:826円(10年来高値:1,677円)
  • 時価総額:45億円
  • 予想PER:12.7倍
  • PBR:1.38倍
  • 予想配当利回り:2.17%
  • 自己資本比率:80.6%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:1,550人(2022年3月31日時点)

■ブロードマインドの業績は?

 ブロードマインドの2023年3月期の第一四半期の売上高は8.6億円(前年同期比+4.8%増)、営業利益1.3億円(前年比+30.4%増)の増収増益。ブロードマインドはほぼ売上原価を計上しておらず、発生した費用は販管費に計上している。

 売上総利益は8.6億円に対して、販売管理費が7.3億円だったため、差額の1.3億円が営業利益になっている。ブロードマインドは売上高内訳を開示しておらず、損益の変動表示(ウォータフォール)より推測すると、生命保険関係の手数料などが増えたことが増収増益の大きな要因。ストック型の売上高よりも、生命保険の販売手数料であるフロー型の売上高の比率が高いと思われる。

 生命保険会社が自社の生保レディを削減する一方、「保険の窓口」「保険クリニック」「保険市場」などの店舗型の保険販売代理店を活用する傾向がある。ブロードマインドは無店舗型の保険販売代理店と考えて差し支えないだろう。

「保険クリニック」のアイリックコーポレーション、業績挽回に向かうか?(2021年9月12日投稿)

「保険市場」のアドバンスクリエイト(8798)、安定した成長!(2020年5月24日投稿)

 資産アドバイザー(IFA、Independent Financial Advisior)という位置づけであるものの、金融商品を提供する会社の顔を考えながら販売する必要があるのも実態だ。手数料やリベートの高い商品を紹介したくなるのは自然なこと。

■ブロードマインドのサービスは?

 ブロードマインドは保険、住宅ローン、不動産、証券、相続対策など金融商品を中心とした相談に独立した立場で相談にのるサービスを提供をしている。結婚、出産、住宅購入、進学、退職、相続までのライフイベントでサポートするという位置づけだ。

 たとえば、「マネプロ」は【無料】のワンストップ金融コンサルティングサービスを提供している。対面では首都圏、関西圏、東海圏(愛知、三重、岐阜)を中心に対面相談のサービスを提供している。オンライン相談も可能だ。無料の理由として、金融機関各社から販売実績に応じて手数料をもらっていると明示している。

「顧問FPサービス」はサブスクリプション型のコンサルティングサービス。月会費は5,000円(税別)で毎月2時間までのコンサルティングが含まれている。オプションサービスもある。2時間を超過すると2時間ごとに5,000円の追加料金がかかる。これに関しては、まさにIFAというサービスだろう。

「ブロっこり」は企業従業員向けのプログラム。金融知識を提供するコンテンツを提供している。スキマ時間にオンラインで確定拠出年金、住宅ローン、保険などの知識を学ぶことができるサービス。なお、「ブロっこり」では特定の金融商品の勧誘は一切しない。

■ブロードマインドの事業状況は?

 2023年3月期の第一四半期での保有顧客数は7.3万世帯/法人で、1四半期で1,548世帯/法人の増加となった。ここ数年は1年間で6,000~6,500世帯/法人の顧客を獲得している。

 新規相談受付数は前年同期割れとなっている。これは生産性を考慮して、一部提携先からの見込み客を獲得を制限していることが要因と説明している。金融預かり資産が183億円と前年末の174億円から+11億円増加している。

■ブロードマインドの財務状況は?

 ブロードマインドは2021年3月26日に東証マザーズに上場。上場時に公募増資で4.5億円の資金を調達。初値(株価)は1,566円で、現在の826円(2022年9月22日時点)の2倍の株価であり、含み損を抱えている人も少なくないだろう。なお、公開価格は810円だ。

 ブロードマインドの2022年6月30日時点の現預金残高は23億円、販売用不動産を5.5億円保有しており、余剰資金の運用に不動産投資をしている状況だ。いっぽう、有利子負債は50百万円とほとんど有利子負債がない状況。財務的には極めて健全だ。

■ブロードマインドの株価推移は?

 ブロードマインドの時価総額は約45億円。株価指標的には割安だ。ブロードマインドは事業も堅調で財務的にも健全。在庫を抱えるビジネスモデルではなく、赤字になりにくい。課題としては、いかに事業規模を拡大していくかだ。

 クレディセゾンと資本業務提携を行い、セゾンカード会員向けにIFAのサービスを拡大していく方針。この効果が出てくれば、業績面でプラスに作用するのではないだろうか。

 ブロードマインドの2023年3月期の業績予想は、売上高40.5億円(前年比+11.9%増)、営業利益5.3億円(前年比+7.3%増)を計画しており、順調にいくと上方修正の可能性も出てくるだろう。

(画像1)ブロードマインドの株価推移

以 上

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする