成長率は50%超も収益性が課題のベースフード、黒字化が大きな課題!

 完全栄養食のパンである「BASE FOOD」を製造・販売しているベースフード。フードテックを標榜(ひょうぼう)している新興企業。数多くのコンビニで販売されているものの、1日あたり1~2個くらいしか購入されていない。最近では目立った棚に配置されていない気がするが、大手コンビニとはどのような契約になっているのか?

四半期利益が黒字化、フードテックのベースフードの成長シナリオ継続!(2023年10月15日投稿)

コンビニ販路も拡充のベースフード、売上高の成長が大きい!今後の行方は?(2023年7月16日投稿)

■基本情報(2024年4月19日時点)

  • 株価:376円(10年来高値:824円)
  • 時価総額:200億円
  • 予想PER:ー(赤字予想)
  • PBR:23.2倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:25.7%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:8,628人(2023年2月28日時点)
  • 事業価値:191億円

■ベースフードの業績は?

 ベースフードの2024年2月期の売上高は148億円(前年比+50.9%増)、営業利益△9.0億円(前年は△9.7億円の赤字)と増収赤字継続となっている。ベースフードの売上総利益率は+49.7%(前年は+53.4%)と4ポイント近く悪化している。

 ベースフードの売上総利益は前年の52.7億円→74.0億円と+21.3億円の大幅な増加となった。販管費は前年の62.4億円→83.0億円と+20.6億円の増加となり、営業利益はほぼ横ばいの△9.7億円→△9.0億円と+0.7億円の改善となった。

■ベースフードの事業状況は?

 ベースフードの売上高をみると、自社ECが前年の61.9億円→90.8億円と+28.9億円の大幅増加。いっぽうで、他社ECは12.8億円→10.6億円と減少している。販売チャネルを自社ECに集中させ、サブスクリプション型のビジネスを拡大させたい同社の戦略が見える。また、現時点では数値から見ると成功しているように見える。

 自社ECの顧客1人あたりの平均購買単価は約5,100円(前年は5,000円)と改善傾向となった。定期注文者数は20.6万人と順調に増加している。

 コンビニを中心とした小売への卸売販売は成長が鈍化している。コンビニは55,810店舗、ドラッグストアは22,621店舗、スーパーマーケットは23,028店舗となっている。ただ、店舗あたりの月間売上高は前年同期の約8,100円→約5,950円と大幅に悪化している。1店舗あたり1日で約2個しか売れていない。

■2025年2月期の業績予想は?

 ベースフードの2025年2月期の業績予想は、売上高190.6億円(前年比+28.2%増)、営業利益1.6億円を目指す。正直、成長性の大幅な鈍化により、株価は大きく下落している。

■ベースフードの財務状況は?

 ベースフードの2024年2月末の財務諸表をみると、現預金は14.3億円、棚卸資産は約2.0億円、有形固定資産は1.2億円、差入保証金は3.9億円。負債をみると、有利子負債が5.0億円、未払金が8.3億円、契約負債(前受金)2.8億円。純資産は8.4億円まで減少しており、今期赤字であると自己資本比率は1ケタになる可能性がある。

■ベースフードの株価推移は?

 ベースフードの時価総額は約200億円。2023年1月期の上場来最安値の株価318円(現在は376円)に近づいている。ベースフードは売上高150億円、営業利益△9.0億円の赤字。広告宣伝費は2024年2月期で32.7億円を投資している。将来的にはこの広告宣伝費を削減することで利益が生まれることが期待されている。

 ただ、広告宣伝費を減らすと、定期購入者の流入が大幅に減り、想定どおりの成長ができないのではないだろうか。

以 上

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする