施工不備問題のレオパレス21、コロナ影響で入居率の低下が続く!

 2018年4月に賃貸住宅の施工不備(界壁(かいへき)の未設置)が発覚し、賃貸物件の入居率が低下しているレオパレス21。施工不備による入居率低下にくわえて、新型コロナウイルスの影響により2020年4月以降も入居率の低下がつづいている。企業向けでは人事異動の抑制などで入居需要が低下、学生向けではオンライン授業の普及による大学近くの賃貸物件への入居減、外国人向けでは入国制限が大きく影響している。レオパレス21の業績と株価の行方はどうなるのか?

■基本情報(2021年2月12日時点)

  • 株価:162円(10年来高値:1,023円)
  • 時価総額:533億円
  • 予想PER:-(赤字見通し)
  • PBR:-(自己資本がマイナスのため算出できない)
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:△5.4%
  • 会計基準:日本基準

■レオパレス21の業績は?

 レオパレス21の2021年3月期の第三四半期の売上高は3,083億円(前年同期比△6.2%減)、営業利益△166億円(前年同期は△228億円の赤字)と減収減益となった。レオパレス21の売上総利益率は+6.9%であるものの、販管費の378億円をカバーできる規模ではなく赤字となってしまった。

■レオパレス21の業績推移、入居率の低下が響く!

 レオパレス21は2010年3月期と2011年3月期にも大きな営業赤字を出している。リーマンショックを発端とした金融危機により経済が落ち込み、賃貸物件の入居率が80%前後まで下落したことが大きな要因だ。現在は施工不備問題と新型コロナウイルスの影響により入居率が80%前後まで落ち込み、経営的に厳しい状況になっている。

 レオパレス21の売上高推移をみると、2009年前後は開発事業が全体の約5割を占めていたものの、現在の開発事業は全体の5%ほどしかない状況。事業内容が大きく変化している。いっぽうで、レオパレス21は賃貸物件の一括借上による転貸ビジネスで利益をあげるビジネスモデルであり、2018年4月の施工不備問題が発覚するまでは堅調に賃貸事業の売上を積み上げることができていた。

■低下する入居率の推移!

 レオパスレス21は経営状況の開示にはかなり積極的だ。決算説明資料を読むと、賃貸事業の具体的な数値が掲載されており、投資家向けのIRについては積極的な姿勢がうかがえる。月別の入居率をみると、2018年8月に入居率90%を割り込み、2020年5月に入居率80%を割り込んでいる。2018年8月は施工不備問題の影響。2020年5月は新型コロナウイルスの影響と考えることができる。

 言い換えると、施工不備問題と新型コロナウイルスの影響が解決すると、レオパレス21の入居率が改善する可能性があるということだ。レオパレス21の管理している賃貸物件の戸数は57.3万戸。そのうち、改修すべき戸数は19.5万戸。施工不備の改修が進んでいけば、入居率の改善は見込めるはずだ。ちなみに、入居募集を保留しているのは2.8万戸あり、募集を再開したときには3~4%の入居率の改善が見込まれる。

■レオパレス21の資金調達状況は?

 レオパレス21はソフトバンク系の投資会社であるフォートレス・イベンストメント・グループが572億円の投資・融資をおこなっている。新株予約権付きローンの300億円の内容をみると、借入期間5年間で金利はなんと年率14.5%。フォートレスは経営がきびしいレオパレス21になぜ投資・融資をしているのだろうか?300億円を融資しているものの、年間で45億円の利息をうけとる内容だ。

 レオパレス21は経営がきびしいものの、年間で約4,000億円の賃貸収入のビジネスモデルを築いている。自社でほとんど不動産をもたずに、地主や不動産オーナーより長期借上契約を結び、将来の賃貸収入が決まっている。かりにレオパレス21に万が一のことがあった場合、長期借上契約の借上料の値下げをすれば一気に利益があがる見通しだ。レオパレス21は財務諸表に計上されていない無形資産(長期借上契約、賃貸ビジネスのノウハウ)を持っているため、実態の財務諸表以上に魅力的な会社というわけだ。

■レオパレス21の株価推移は?今後の株価の行方は?

 レオパレス21の時価総額は約500億円。すでに自己資本がほとんどなく、割安や割高と判断する段階ではない。レオパレス21が民事再生法などを適用した場合、ソフトバンク系のフォートレスは提供している投融資572億円の大部分がなくなってしまう可能性が高い。レオパレス21がさらに厳しくなった場合、物件オーナーとの借上料の再契約などをおこなったうえで、フォートレスよりレオパレス21へさらなる増資を実施するのが現実的ではないだろうか。

 既存株主としては、どこまで保有株が希薄化(株数の増加)が見えないので、割安・割高として投資できる段階ではない。いっぽうで、再建の姿がみえた後はレオパレス21への買い時の可能性は十分あるだろう。施工不備問題の解消は2024年末を目途としているので、それまでは様子見が無難だろう。

(画像5)レオパレス21の株価推移

以 上

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