「カウカモ」のツクルバ、中古マンションのリノベーションの市場の行方は?

 中古・リノベーション住宅の流通プラットフォーム「cowcamo(カウカモ)」を展開しているツクルバ。2023年7月末時点の従業員数は194名。中古・リノベーション住宅の流通プラットフォームを展開している。売上高は大きく伸びているものの、ツクルバは売上総利益で業績を見る必要があり、その売上総利益の伸びは2ケタ成長。もう少し伸びがほしい。

中古・リノベーション住宅「カウカモ」のツクルバ、損益分岐点を超えられるか?(2023年2月4日投稿)

■基本情報(2024年1月26日時点)

  • 株価:814円(10年来高値:2,427円)
  • 時価総額:95億円
  • 予想PER:52.7倍
  • PBR:13.5倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:47.6%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:1,930人(2023年7月31日時点)

■ツクルバの業績は?

 ツクルバの2024年7月期の第一四半期の売上高は10.7億円(前年比+61%増)、営業利益は49百万円(前年同期は△1.0億円の赤字)と増収黒字転換となった。ツクルバは不動産販売と仲介手数料、リノベーションと売上高の中身が大きく異なるものを抱えており、売上総利益率などでみると実態がわからない。よって、売上総利益の推移でみるのが良い。

 ツクルバの売上総利益は+6.6億円で、前年同期の5.3億円から+1.3億円の増加となっている。総流通金額と売上高の比率のテイクレートも4.7%とほぼ横ばいとなっている。「カウカモ」の売上高が堅調の伸びているのはよい傾向だ。取引件数は第一四半期で283件(前年同期は216件)。

■ツクルバの事業状況は?

 ツクルバは東京を中心としたビジネスを展開しており、現状はビジネス領域が限定されている。そのなかで、年間売上高約50億円を稼いでいることは素晴らしいものの、不動産販売は金額が大きいため、もう少し規模がほしいところ。

 事業内容は異なるものの、戸建て販売のアールプランナーは時価総額36億円で年間売上高は310億円、営業利益4.0億円。不動産という分類ではツクルバの規模感が小さい。

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 最近は売上高が伸びているものの、東京の不動産価格が大きく上がっていることがツクルバの業績にプラスに働いているだろう。言い換えると、地方都市などでは物件価格がそれほど高くないため、事業参入のモチベーションが上がらないというのが実情だろう。

■ツクルバの財務状況は?

 ツクルバの2023年10月31日時点の財務諸表をみると、現預金は16億円、販売用不動産が9.9億円となっている。負債は、有利子負債が約10億円。利益剰余金が△1.1億円と累積赤字の状況だ。

■ツクルバの株価推移は?

 ツクルバの時価総額は約95億円。株価指標的に割高だ。業績が悪化すると、時価総額は50~60億円くらいまで下落する可能性はありそうだ。財務諸表をみると、当面は配当金もでそうにない。ビジネスモデル的に利益が一気に拡大する利益構造でもないので、株価は当面は停滞ではないだろうか。

(画像1)ツクルバの株価推移

以 上

 

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