SUVに力を入れた中古自動車販売のグッドスピード、赤字からの脱却は?

 愛知県を中心とした東海エリア、関西、北陸、九州で中古自動車・二輪の販売を展開しているグッドスピード。売上規模は成長しているものの、2023年9月期の第一四半期の営業利益は赤字を計上。有名投資家の弐億貯男氏も投資していることで有名な銘柄。今後の業績と株価の行方は?

愛知県中心に中古車販売を展開するグッドスピード(7676)、コロナショックを乗り切れるか?(2020年6月21日投稿)

■基本情報(2023年2月23日時点)

  • 株価:1,518円(10年来高値:2,655円)
  • 時価総額:57億円
  • 予想PER:9.2倍
  • PBR:1.92倍
  • 予想配当利回り:0.65%
  • 自己資本比率:9.5%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:1,863人(2022年9月30日時点)

■グッドスピードの業績は?

 グッドスピードの2023年9月期の第一四半期の売上高は128億円(前年同期比+6.5%増)、営業損益△1.8億円(前年は+97百万円の黒字)と増収赤字転落となった。グッドスピードの売上総利益率は+17.0%(前年は+16.9%)、営業利益は赤字となった(前年同期の営業利益率は+0.8%)。

 グッドスピードは売上総利益率がそれほど高くない利益構造であるものの、販管費が前年の19.4億円→23.6億円と+4.2億円の増加となり、営業利益が赤字転落している。販管費の内訳をみると、前年同期比では人件費で+1.5億円増、広告宣伝費で+0.3億円増、賃借料・減価償却費で+1.4億円増などとなっている。固定費の増加が大きい。

■構造的に固定費が増加しすぎか?

 グッドスピードの損益をみると、販管費の増加が収益を圧迫している。売上総利益率は17%前後で安定しているものの、固定費が大きく増加。中古自動車の1台あたりの売上総利益率は順調に増加しているものの、既存店売上高は前年割れをしている。つまり、1店舗あたりの販売台数が減少しており、販売店の利益額が減っているということだ。

 新規出店により売上高は伸びているように見えるものの、生産性が下がっているため、店舗の賃借料などの増加に対して、売上総利益の伸びが追いついていない構造だ。いかに1店舗あたりの販売を伸ばすかがキーになる。

■グッドスピードの財務状況は?

 グッドスピードの2022年12月末の財務諸表をみると、現預金は6億円、商品は143億円、有形固定資産は108億円となっている。いっぽう、有利子負債は約210億円と大きく、正直かなり厳しい財務状況だ。

 普通に考えると、どこかで公募増資または第三者割当増資などの資本政策を打つ必要があるように見える。有利子負債が大きいため、年間の支払利息は約2億円と収益を圧迫している。

■グッドスピードの株価推移は?

 グッドスピードの時価総額は約60億円。株価が高いか、安いかというより、財務的に大丈夫かという点が気になる。手元の現預金は少ないため、販売不況が訪れると、いっきに資金繰りが難しくなる。現在の株主資本は約30億円のため、安値販売をすることになったら、一気に資本がなくなってしまうだろう。

 なお、競合他社であるネクステージの売上総利益率も18%前後のため、グッドスピードの売値と買値の差額はある程度、適正だと思われる。

中古車販売大手のネクステージ(3186)、規模拡大も営業利益は急減!株価の行方は?(2020年6月21日投稿)

(画像1)グッドスピードの株価推移

以 上

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