中古車販売大手のネクステージ(3186)、規模拡大も営業利益は急減!株価の行方は?

 中古車販売大手のネクステージ。年間の自動車販売台数(新車含む)は7.6万台(前年比+31.9%)、中古車買取台数は3.8万台(前年比+42.7%)と事業規模の拡大をつづけるネクステージ。中古車の小売市場は年間260万台といわれており、現在は市場シェアのはげしい奪い合いの状況。ネクステージはこのまま順調に規模の拡大をつづけられるのか?ネクステージの株価はどうなるのか?

■基本情報(2020年6月19日時点)

  • 株価:845円
  • 時価総額:640億円
  • 予想PER:33.7倍
  • PBR:2.27倍
  • 予想配当利回り:0.71倍
  • 自己資本比率:30.8%

■複雑な中古車業界、ネクステージのビジネスモデル!

 日本の中古車業界はさまざまなビジネスモデルが存在する。たとえば、中古車オークション(オートオークション)を主催して圧倒的な収益をあげているUSS(ユー・エス・エス)、中古車買取専門店「ガリバー」を中心にしたIDOMの小売・卸売の事業モデルなど。また、在庫をもたず中古車売買の手数料ビジネスに徹するオークネット。

 そのような複雑な中古車業界のなかでも、シンプルなビジネスモデルで急激な成長をみせているのがネクステージだ。ネクステージは、自社で買取・販売の店舗を全国で136店舗(2020年2月末)運営し、年間で約8万台の中古車を販売している。ネクステージの2019年11月期の売上高は2,193億円(前年比+34.4%)、営業利益は60.9億円(前年比+38.8%)の増収増益。

 しかし、新型コロナウイルスの影響をうけた2020年11月期の第一四半期では、売上高617億円(前年同期比+25.6%)、営業利益3.1億円(前年同期比△77.3%)と増収減益となった。ネクステージは2015年から4年で売上高は3倍以上、営業利益は4倍以上と急成長している中古車販売会社。今回、はじめての減益となり、それも大幅な落ち込みとなった。ここから再び成長軌道にのせることはできるのか?

■成長とともに積み上がったネクステージの有利子負債!

 ネクステージは数年間で売上高、営業利益とも倍増するという成長性をみせる一方で、有利子負債(借入金)も比例するように増加している。2020年2月末時点のネクステージの自己資本比率は30.8%、有利子負債は約600億円。ここ4年で有利子負債は6倍に急増。これまでは、2012年からはじまったアベノミクスと量的緩和政策のおかげで、低金利で資金を調達することができた。

 しかし、新型コロナウイルスの影響により、2019年12月~2020年2月に営業利益の大幅な減少(前年同期比で△77.3%)となり、2020年3月以降はさらに販売状況は厳しくなっている。いかに資金繰りに問題を起こさせないかが重要になる。ネクステージの在庫は400億円を超えており、小売販売が低調であれば、中古車オークションでの現金化の検討が必要かもしれない。

■ネクステージの株価推移は?

 ネクステージは2016年半ばより株価の上昇がスタート。2018年6月には最高値1,356円の天井をつけ、現在は845円にとどまる。2013年12月の株価の最安値は68円だったため、現在でも10倍以上の値上がりとなった。

 ここ最近の株価チャートをみると、コロナショックで大きく落ち込んだ株価はリバウンドしているものの、チャート自体が右肩さがりの形になっている。業績面も低迷が予想されるため、ここからの買いは慎重な判断が必要だ。

以 上

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