クラウド型POSレジのスマレジ、事業は堅調であるも株価低調に!

 クラウド型のPOSレジサービスを展開しているスマレジ。2022年4月期の業績予想に対して、上振れ傾向で推移しているものの、株価は約4カ月で半値以下に下落。米国の利上げ予測を起因としたグロース銘柄の株価調整がつづき、スマレジも巻き込まれた形だ。スマレジの業績と株価はどうなるのか?

長期ビジョン「VISION 2031」発表のスマレジ、3年間は減益覚悟の投資!(2021年6月13日投稿)

■基本情報(2022年2月25日投稿)

  • 株価:1,485円(10年来高値:4,395円)
  • 時価総額:292億円
  • 予想PER:60.3倍
  • PBR:7.2倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:83.2%
  • 会計基準:日本基準

■スマレジの業績は?

 スマレジの2022年4月期の第二四半期の売上高は19.2億円(前年同期比+29.9%増)、営業利益4.3億円(前年比+25.1%増)の増収増益。スマレジの売上総利益率は+63.4%(前年同期は+64%)、営業利益率は+22.5%(前年同期は+23.3%)と高い水準を維持している。

 新型コロナウイルスの影響による対面店舗の取扱高の減少により、2021年4月期は苦戦したものの、スマレジの業績は回復傾向がつづいている。スマレジの売上高内訳をみると、ストック型のサービス売上高比率は57.2%、残りは関連機器の販売となっている。いかにストック型の売上高と売上高比率を増加できるかがスマレジの株価伸長のキーになるだろう。ストック型売上高の粗利(売上総利益率)は84.1%となっている。

■スマレジの概要は?

 スマレジの従業員数は2018年4月期の66名、2020年4月期の129名、2022年4月期(2Q)の142名と増加傾向がつづいている。142名のうち、エンジニア38名に対して、カスタマーサービス39名、セールス47名と販促・サービスの人数が意外に多い。

 登録店舗数は10.3万店舗、そのうち有料店舗は2.1万店舗と優良店舗率は21.1%となっている。トレンドとして、有料店舗率が徐々に上昇しているのは良い点だ。アクティブ店舗率は2.7万店舗となっており、無料の登録店舗の多くは使用していないと思われる。言い換えると、スマレジを活用している店舗の多くが有料版に加入している。

■スマレジの目指す市場規模は?

 スマレジは中規模(2~39店舗)の店舗をメインターゲットとしていて、全国に77万店舗ある。目標シェアは38%(現在は3.5%の市場シェア)のため、約29万店舗が対象になる。かりに29万店舗が月平均1万円のプランに加入した場合、月額売上高は29億円で年間売上高は約350億円の規模になる。

 売上高350億円、売上総利益210億円(売上総利益率60%)、営業利益105億円(営業利益率30%)がターゲットになる。もし、この目標が達成できた場合、時価総額は1,500億円~3,000億円くらいの可能性はある(現在の時価総額は約300億円)。

■スマレジの財務諸表は?

 スマレジは財務基盤が健全だ。自己資本比率は80%を超えており、現預金を36億円保有している。有利子負債もゼロだ。スマレジの利益モデルはほとんど設備投資が必要でないことが大きい。いかに店舗を増やしていくか、競合他社に勝つか。

■スマレジの株価推移は?

 スマレジの時価総額は約300億円。2021年8月31日に株式分割(1株→2株)をして、そのときが上場来最高値の株価をつけることとなった。そこから3分の1以下まで株価は下落中だ。ほとんどの個人投資家は含み損を抱えているだろうし、信用取引をしていた人は市場から退場した人もいるだろう。

 スマレジは2021年4月の決算発表時に成長率が前年比+2.3%まで鈍化し、株価も調整したものの、そこから一気に株価は上昇。米国の利上げ見通しの織り込みから一気に株価は売られだした。株価が再び上昇トレンドに入るまでには、数年は調整必要ではないだろうか。含み損をかかえたホルダーが一掃されるまでは。

(画像1)スマレジの株価推移

以 上

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