ついに黒字回復のクックパッド(cookpad)、徹底した販管費減、今後の行方は?

 レシピサイトを運営しているクックパッド(cookpad)。徹底した販管費の削減で、ようやく黒字化したクックパッド。しかしながら、売上規模も下落基調であり、今後の成長期待も見込めないところまできた。株価は現預金の減少と同じスピードで下落しており、時価総額≒現預金がつづいている。今後の業績が大きく浮上する可能性はあるのか?

業績悪化のクックパッド(cookpad)、そもそも業績拡大に興味がない?(2022年8月14日投稿)

料理レシピサイトを運営するクックパッド(2193)、停滞する株価と業績の行方は?(2020年5月30日投稿)

■基本情報(2024年2月9日時点)

  • 株価:121円(10年来高値:2,880円)
  • 時価総額:130億円
  • 予想PER:未定
  • PBR:0.85倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:94.0%
  • 会計基準:IFRS基準
  • 株主数:52,631人(2022年12月31日時点)

■クックパッドの業績は?

 クックパッドの2023年12月期の売上高は76億円(前年比△16.3%減)、営業利益△28億円(前年は△35億円)と減収赤字幅の縮小となった。クックパッドの売上総利益率は+95.8%(前年は+95.3%)と高いものの、販管費をカバーできていない。

 クックパッドの売上総利益は前年の86.6億円→72.9億円と△13.7億円の減少、販管費は前年の122億円→101億円と△21億円の減少となり、差し引きで営業損失は△35億円→△28億円と+7億円の改善となった。

 四半期別にみると、第四四半期でついに黒字化を達成。しかしながら、固定費という人件費の削減により達成した結果だ。今後の成長はどうなるのだろうか?

■クックパッドの事業状況は?

 クックパッドは1年前の従業員数は409人だったものの、希望退職者を募集し、現在は147名まで減少。事業サイズが一気に小さくなった。ここまで従業員が少なくなると、新サービスの開発などほとんど止めて、既存サービスを少人数で回すことで精いっぱいではないだろうか。

 クックパッドの中途採用の有無を検索すると、子会社のクックパッドライブでシステムエンジニアを募集している(予定年収は500万円~800万円)。ここまで従業員が少なくなると、必要な人材も不足していることだろう。

 そもそも、決算説明資料を読んでも、今後の方向性や何に注力していくかが明記されてない。そのため、四半期で黒字になったものの、これからクックパッドに何に期待をもって投資するのか見えない。株価が安くなったので株を買ってみたという個人投資家が集まってくるだけではないか。

■クックパッドの財務状況は?

 クックパッドの2023年12月末の財務諸表をみると、現預金は120億円、その他に目立った資産はない。負債をみると有利子負債はゼロ、その他に目立った負債はない。自己株式は33億円あり、純資産は137億円と財務的には健全だ。

 クックパッドのキャッシュフロー計算書をみると、営業CFは△22億円、投資CFは投資有価証券(4.7億円)の取得などあり△5.3億円、財務CFは自己株式の取得(27億円)があり△30.8億円となり、現預金は前期から△58億円減少。前期の現預金168億円→120億円と為替変動など考慮して△48億円の減少となっている。

■クックパッドの株価推移は?

 クックパッドの時価総額は約130億円。将来的な姿を経営陣は示すことがないため、株価の妥当性を判断することはできない。決算発表と同時にストックオプション(170万株)を発表し、経営陣および従業員に割り当てをおこなっている。2年間は売却できないものの、従業員のリテンション(雇用維持)のモチベーションとしている。

 クックパッドの従業員は平均年齢35.1歳で平均年収は824万円と高い。ストックオプションも170万株を従業員数147名で割ると、1人あたり1.2万株であり120万円くらいになる。どこまでモチベーションになるだろうか。

(画像1)クックパッドの株価推移

以 上

 

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