全国で来店型保険ショップの「保険クリニック」を展開するアイリックコーポレーション。2020年5月15日、2020年6月期の業績予想を下方修正し、これまで堅調だった業績にブレーキがかかった形だ。大手生保によるセールスレディを使った保険営業から代理店方式に変化するなか、ここからアイリックの再成長は見えてくるのか?現在の株価もボックス圏で停滞気味。株価の行方は?
■基本情報(2020年5月22日時点)
- 株価:1,220円
- 時価総額:104億円
- 予想PER:34.7倍
- PBR:3.0倍
- 予想配当利回り:0.81%
■新型コロナウイルスの影響による外出自粛が影響!?
アイリックは業績予想修正の理由として、新型コロナウイルスの影響による外出自粛要請をあげている。この期間に「保険クリニック」の多数の店舗にて、休館または営業時間の短縮を実施。その影響を受けて、下方修正の発表となった。
いっぽうで、「保険市場」として生命保険などの保険ショップやネット販売を展開するアドバンスクリエイトは堅調な業績を見せている。大きな違いとしては、店舗型の保険ショップを主軸に置いているか、ネット販売を主軸においているかの違いだ。アドバンスクリエイトはネット販売に力を入れている。
また、アイリックの保険販売事業は直営店部門(保険ショップ)と法人営業部門に分けれていて、法人営業部門は前年同期比△42.2%と苦戦している。
■対面型の保険ショップの成長率は鈍化か?
アイリックは対面型保険ショップ「保険クリニック」を直営店として43店舗、フランチャイズ方式で180店舗ほど展開している。合計すると約220店舗。いっぽう、業界大手の「ほけんの窓口」(伊藤忠商事グループ)は2019年6月時点で保険ショップ742店舗、窓口販売提携銀行数は23行と圧倒的にアイリックに先行している。
現在では大きなショッピングモールなどに行くと必ずどこかの保険ショップを見かける段階まで展開が進んでいる。言い換えると、店舗型の保険ショップの普及が進み、競争が厳しい状況になってきたと言える。アイリックとしては、どこまで「ほけんの窓口」との差を埋めることができるか、新しい動きが求められる段階だ。
■アイリックの株価推移は?株価は割安か?
アイリックの株価は大きなボックス圏で動いている。上場後に大きく上昇トレンドを描いた後、その高値を超えられず、800円~1,500円のボックスを行き来している。売上高の成長が前年比+10%を割る予想となっており、明るい将来が描けない現状を株価が織り込んでいる状態だ。現在の時価総額は約100億円。新規事業などで再成長のレールに乗せないかぎり、過去の高値を超えるのは難しい。
以 上