業務用食材のカタログ通販をおこなっているミクリード。食品卸大手の国分も出資しており、実質的に国分グループの業務用食材カタログ通販会社と言っても過言ではないだろう。アフターコロナが見えた2023年3月期の第一四半期は営業利益が黒字になった。今後の業績と株価の行方は?
居酒屋向け業務用食材卸サイトのミクリード、赤字つづく!(2022年5月28日投稿)
業務用食材通販のミクリード、コロナ禍の抑制なくなれば黒字!?(2022年2月5日投稿)
■基本情報(2022年7月29日時点)
- 株価:818円(10年来高値:1,620円)
- 時価総額:18億円
- 予想PER:61.4倍
- PBR:2.05倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:65.2%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:1,099人(2022年3月末時点)
■ミクリードの業績は?
ミクリードの2023年3月期の第一四半期の売上高は10.6億円(前年同期比+69.3%増)、営業利益45百万円(前年同期は△36百万円の赤字)と増収黒字転換となった。ミクリードの売上総利益率は+34.5%(前年同期は+34.0%)、営業利益率は+4.3%となった。
年度の業績予想を上方修正し、売上高42億円(修正前は37億円)、営業利益1.0億円(修正前は+37百万円)と大きく増加。しかしながら、まだ利益規模が小さく、売上高60~100億円くらいの規模にならないと、しっかり利益がでる事業規模ではない。
■ミクリードの注目点は?
今回の決算でコロナ禍による営業自粛要請がなければ実力として黒字にもっていける事業力があることが証明された。現在も居酒屋にいくことを躊躇している人も少なくないだろうから、コロナを意識しなくなったときには、更に業績面で期待できそうだ。
現在はインバウンドによる海外からの旅行者年間2,000万人規模の人がいない状態であり、ミクリードの基礎力が改善していることがわかる。顧客数は過去最高を更新しており、1顧客あたりの売上高がまだコロナ前まで回復していないことがわかる。
■ミクリードの過去の業績は?
ミクリードは2016年3月期は売上高36.8億円、経常利益2.2億円、2017年3月期は売上高39.3億円、経常利益2.4億円を出していた。2017年3月期以降はIPOを目指した体制づくりで販管費が増加して減益になっているものの、コロナ前までは堅調に業績は伸びていた。
ミクリードのライバル企業(競合)はいろいろいるものの、三菱食品のRYQUE(リクエ)が同じ業態のビジネスをおこなっている。リクエの規模感はわからないものの、リクエの品ぞろえは1万点以上とホームページでうたっている。いっぽう、ミクリードは4,000点以上としており、規模感ではリクエのほうが大きい可能性が高い。
■ミクリードの株価推移は?
ミクリードは2022年7月29日(金)の後場終了後の16時に決算発表。週明けの寄り付きから株価がどう動くかが期待される。実力的には営業利益2億円くらい出せる企業であるため、25~30億円くらいはすぐにいくだろう(現在の時価総額は18億円)。
以 上