黒字化したビザスク、減損で軽くなった「のれん」の効果は!?

 グローバルENS(Expert Network Service、エキスパートネットワークサービス)や国内事業者向けにインタビュー、オンラインサーベイなどサービスを展開しているビザスク(VISASQ)。子会社のColeman買収時の「のれん」125億円を減損し、償却費が大幅に減って黒字化したビザスク。しかしながら、純資産がほとんどなくなり、ゆくゆくは優先株の買取のリスクもある。今後の業績と株価の行方は?

■基本情報(2024年11月8日時点)

  • 株価:1,209円(10年来高値:7,120円)
  • 時価総額:111億円
  • 予想PER:15.8倍
  • PBR:25.3倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:6.3%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:5,733人(2024年2月29日時点)
  • 事業価値:100億円

■ビザスクの業績は?

 ビザスクの2025年2月期の第二四半期の売上高は49.4億円(前年比+14.3%増)、営業利益5.8億円(前年同期は△1.3億円の赤字)と増収黒字転換となった。ビザスクは売上総利益を表しておらず、営業利益率は+11.8%となっている。

 ビザスクの業績は表面的には回復しているように見えるものの、以前に計上していた「のれん償却費」がなくなり、継続的な指標としては比較できなくなった。海外ENSの売上高は前年よりも回復しているものの、横ばいというイメージだ。

■地域状況は?

 決算短信の地域別情報をみると、米国も黒字+55.6百万円を計上しており、ようやく黒字になったように見える。いっぽうで、営業利益とは別にソフトウェア費用として減損損失で2.6億円を計上しており、実態としてはまだまだ赤字から抜けれていないように見える。

■ビザスクの株価推移は?

 ビザスクの時価総額は約110億円。過去の増資など期待された成長性は届いておらず、株主は失望しているだろう。表面的な営業利益は回復したものの、会計テクニック的な面が強い。やはり成長率が20%は超えないと、なかなか今の株価からは買えない。

以 上

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