アルバイト求人サービス「マッハバイト」、口コミ付き転職サービス「転職会議」、提案型マッチングサービス「knew」などインターネット事業を展開しているリブセンス。若手社長の村上太一氏が率いる会社。2006年2月設立、東証プライム。従業員数は212名。利益の出ていた事業を売却し、固定費の削減が大きな課題。
事業規模縮小中のリブセンス、マッチングアプリ事業に参入!(2021年9月24日投稿)
■基本情報(2022年7月8日時点)
- 株価:182円(10年来高値:3,255円)
- 時価総額:51億円
- 予想PER:赤字予想
- PBR:1.77倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:80.3%
- 会計基準:日本基準
■リブセンスの業績は?
リブセンスの2022年12月期の第一四半期の売上高は10.3億円(前年同期比+17.4%増)、営業損失△63百万円(前年同期は△3.6億円)の増収赤字幅縮小。リブセンスの売上総利益率は+82.1%(前年同期は+86.6%)。売上総利益率は高いものの、企業規模にあわない固定費が赤字の大きな要因だった。
リブセンスの販管費は前年同期は11.2億円だったものが、今回は9.1億円と約2.1億円の削減となったため、赤字幅が大きく縮小した。リブセンスの販管費の内訳をみると、人件費で約1.0億円、広告宣伝費で約0.7億円の削減を実施。従業員数の推移を見ると、正社員は2021年1Qは185名だったものの、2022年1Qは142名と43名の減少と30%の減少となった。また、関連会社の従業員数も106名から45名と61名の減少となった。トータルで従業員数は370名→262名と100名以上の減少となり、年間で5~6億円の費用削減となった。
■伸びない売上高
リブセンスの主力は飲食店などの求人である「マッハバイト」。コロナ後に売上高は回復しているものの、それほど大きな回復は見せていない。2022年2Q以降に復活の可能性あるものの、現状は苦戦継続中だ。
成果報酬型の正社員転職サイトである「転職ナビ」を2022年1月に事業廃止。年間売上高6.5億円ほどだったので、リブセンスには大きな痛手となった。事業売却ではなく事業終了。「事業を売却していればお金になったのに」という声もある。
リブセンスの事業は転職、住宅、アルバイトなどキーワードになるものの、Googleなどの検索エンジンのSEO(検索)に左右されるビジネス構造。マッチングサービス「knew」はそこからの脱却のように見えるものの、これまでのノウハウを捨てて新しいビジネスモデルに展開できるか重要な分岐点にきている。
■期待できるか?マッチングサービス「knew(ニュー)」
「気に入った相手と5分間ビデオチャットして」というマッチングサービス「knew」を展開。いまのところ、「knew」の会員数や業績は未公表であるものの、いまは投資段階であることは間違いないだろう。ライバルとして、婚活サイトやマッチングアプリなどがあり、激戦サービスに新規参入したリブセンス。
「プロフィールは運営のみ閲覧」「ビデオチャットする時に、初めてお互いの顔がわかります」という斬新なサービスであるものの、見た目ではじまることが多いマッチングアプリで通用するのだろうか。なお、本会員は月額(税込)5,900円とけっこうなお値段となっている。
■リブセンスの株価は?
リブセンスの時価総額は約50億円。現預金は25億円保有しており、有利子負債はほぼゼロ。気になるのは従業員を1年間で約100名削減している点だ(370名→262名)。リブセンスの社内状況はわからないものの、普通の企業であれば1年間で約40%も社員が減少するとモチベーションが大きく下がるはず。安心して働くことができるか心配な面が残る。
株価も低迷をつづけており、先が見えない。ただ、年間売上高40億円を超えており、実力があるIT企業であることは間違いないはず。ヒットサービスが踏まれれば状況は一変するのではないだろうか。または、メガベンチャーである楽天、DeNAなどから買収の可能性もゼロではないだろう。
以 上