電子コミック「めちゃコミック」を展開するアムタスを傘下にもつインフォコム。2021年に広告戦略を変更し、下落基調にあった売上高は上昇トレンドに転じている。また、従量課金コースを2022年度に導入し、堅調に推移している。今後のインフォコムの業績と株価の行方は?
「めちゃコミック」のインフォコム(4348)、巣ごもり消費の追い風つづく!(2022年8月22日投稿)
■基本情報(2023年11月2日時点)
- 株価:2,551円(10年来高値:4,455円)
- 時価総額:1,469億円
- 予想PER:20.8倍
- PBR:3.03倍
- 予想配当利回り:1.76%
- 自己資本比率:73.0%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:7,086人(2023年3月31日時点)
■インフォコムの業績は?
インフォコムの2024年3月期の第二四半期の売上高は400億円(前年比+21.2%増)、営業利益41.8億円(前年比+12.6%増)の増収増益。インフォコムの業績推移をみると、2021年~2022年度のコロナ禍が巣ごもり需要などで業績好調だった。そこから一時的に業績は落ち込んだものの、現在は反発傾向にある。
インフォコムの売上総利益率は+46.8%(前年は+46.8%)、営業利益率は+10.4%(前年は+11.2%)。インフォコムの売上総利益は前年の155億円→187億円と+32億円の増加、販管費は前年の118億円→146億円と+28億円の増加となり、差し引きで営業利益は+4億円の増加となった。
■インフォコムの事業状況は?
インフォコムは「めちゃコミック」のネットビジネス(電子コミック)とITサービスの2つの事業が大きな柱。ネットビジネスが全体の66%の売上比率を占める。「めちゃコミック」は好調を維持しており、売上高は前年比で+28.5%増、営業利益は前年比+33.8%増。いっぽう、ITサービスの売上高は前年比+7.7%増、営業利益は前年比△4.3%減となっている。
電子コミックはプレイヤーが増えているものの、「めちゃコミック」は、しっかり顧客をつかんでいる。オリジナルコミックが特徴的だ。
■インフォコムのITサービス(ヘルスケア事業)は?
インフォコムはヘルスケア事業に力をいれている。国内病院向けの事業、就業管理システムの拡大(医師の労働時間管理)、外国人介護人材サービスの本格参入など多面的に事業している。
■インフォコムの財務状況は?
インフォコムの2023年9月30日時点の財務諸表をみると、現預金は358億円、売掛金は112億円、無形資産43億円、投資その他81億円など。負債は、有利子負債はゼロで、買掛金58億円となっている。利益剰余金は430億円と手厚い。財務的には健全だ。
インフォコムのキャッシュフロー計算書をみると、営業CFは+46億円、投資CFは△27億円、財務CFは配当支払いがあり△18億円となり、現預金の増減は+1.6億円で、現預金は357億円となっている。
■インフォコムの株価推移は?
インフォコムの時価総額は約1,500億円。コロナ禍の巣ごもり需要時には時価総額は2,000億円を超えていたものの、いまは実力相応で安定しているイメージだ。株価チャートをみると、また上昇トレンドに入っているようにも見える。
しかしながら、電子コミックの競争は激しく、ここから需要や市場規模が大きく上昇する可能性はそれほど高くないだろう。一度、大きな株価の山をつけており、当面は様子見が無難だろう。
以 上