複数のECサイトにてインテリア、雑貨、ベビー用品、ジュエリー、ガーデン資材、お茶などを販売したり、小売会社に生活用品を販売するティーライフ(TeaLife)。ビジネスモデルとしては、スクロール、千趣会、アイケイのような複数の事業をさまざまな販売ルートで行うカタログ通販をベースにしたEC事業を展開している。ティーライフの業績と株価の行方はどうなるのか?
■基本情報(2021年9月24日時点)
- 株価:1,532円(10年来高値:1,936円)
- 時価総額:65億円
- 予想PER:9.2倍
- PBR:1.19倍
- 予想配当利回り:3.39%
- 自己資本比率:65.7%
- 会計基準:日本基準
■ティーライフの業績は?
ティーライフの2021年7月期の売上高は117億円(前年比+10.8%)、営業利益9.0億円(前年比+81.7%増)の増収増益となった。ティーライフの売上総利益率は+46.4%(前年は+50.7%)、営業利益は+7.7%(前年は+4.7%)と売上総利益率は悪化したものの、販管費を抑制したことにより営業利益率は改善した。
ティーライフにかぎらず、カタログ通販をベースにしたEC事業をおこなっているスクロール、アイケイなどは売上総利益率が高いものの、広告宣伝費と荷造運搬費(物流費)の負担が重い。ティーライフの広告宣伝費は15.5億円(前年は17.9億円)、物流費は8.6億円(前年は8.4億円)と営業利益9.0を考えると、広告宣伝費と物流費の負担が重いことがわかるだろう。
生協・通販・TVショッピングのアイケイ、巣ごもり需要を取り込む!(2021年9月20日投稿)
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■ティーライフの事業モデルは?
ティーライフは小売、卸売、物流事業(プロパティ事業)の3つをおこなっている。小売事業はECサイトやカタログ通販を活用してインテリア、雑貨、生活用品などを消費者に販売する事業だ。売上高は約64億円と最も売上比率が高い。
卸売は子会社のアペックスとダイカイが担当しており、生活雑貨、食品などをテレビショッピングやカタログ販売をおこなう通信販売会社に卸売をする事業をしている。
物流事業(プロパティ事業)は静岡県袋井市と掛川市にティーライフグループの物流拠点を持っており、外部の通販企業から物流受託をおこなう3PL事業(サードパーティー・ロジスティクス)などを行っている。
■コロナ禍で業績は大幅拡大!
ティーライフをはじめ、スクロール、アイケイなどの同業他社もコロナ禍で対面店舗の売上が落ち込み、ECサイトの需要が拡大して業績は絶好調だ。家具ECのベガコーポレーションやニトリなども通販サイトが好調がつづいている。
家具ネット通販サイト「LOWYA」のベガコーポレーション(3542)、コロナ禍で躍進!(2020年8月8日投稿)
新型コロナウイルスの感染拡大により街に繰り出す機会が減少し、これまでECサイトで購入していなかったものまでネットで購入する機会が増えてきた。ティーライフなどが提供している生活雑貨だけでなく、オイシックスの通販で食材が買えるミールキットや楽天西友ネットスーパーも好調だ。心配なのはコロナが落ち着いたあとも消費が継続するかどうか。
コロナ禍で成長するオイシックス・ラ・大地、株価高値更新中!(2021年7月4日投稿)
■ティーライフの株価推移は?
ティーライフの時価総額は約60億円。予想PERは10倍を割っており、配当利回りは3.0%を超えている。スクロールやアイケイなども企業評価は低い。現在はクラウドITサービスや半導体などは高い評価が付くものの、ネットショッピング・ネット通販などのEコマース企業の株価はそれほど高く評価されない。
クラウドITサービスはサブスクリプション型のストック型ビジネスが高く評価され、アフターコロナになっても成長性は大きく変わらないと思われている。半導体はIoT機器の普及や各製品のデジタル化で需要が減ることはないという思惑がある。
Eコマース企業は売上総利益率は高いものの、大量の広告宣伝や物流費が必要なため、営業利益率10%を超えることが難しい。勢いのあるスクロールも営業利益率は9%前後にとどまっている。
以 上