転職求人・賃貸・DX支援のキャリアインデックス、少数精鋭でネット事業展開!

 転職求人情報サイト「CAREER INDEX」やファッション業界に特化した転職情報サイト「Fashion HR」、アルバイト・派遣情報サイトの「ラコット」や賃貸情報の「DOOR賃貸」「キャッシュバック賃貸」、そしてDX支援などを行っているキャリアインデックス。キャリアインデックスの従業員数は約40名。2019年12月にリブセンスから「DOOR賃貸」を買収、2020年10月にType Bee Groupから「キャッシュバック賃貸」を買収とM&Aを活用して事業領域を広げている。キャリアインデックスの株価と業績の行方は?

■基本情報(2021年9月24日時点)

  • 株価:950円(10年来高値:2,186円)
  • 時価総額:200億円
  • 予想PER:37.6倍
  • PBR:6.36倍
  • 予想配当利回り:0.26%
  • 自己資本比率:69.9%
  • 会計基準:日本基準

■キャリアインデックスの業績は?

 キャリアインデックスの2022年3月期の第一四半期の売上高は6.7億円(前年同期比+38.9%増)、営業利益2.1億円(前年同期比+155%増)の大幅な増収増益となった。キャリアインデックスの売上総利益率は+91.9%(前年同期は+89.0%)、営業利益率は+31.5%(前年同期は+17.1%)と高い水準となっている。

 キャリアインデックスの2022年3月期の業績予想は売上高29.3億円(前年比+26.4%増)、営業利益9.0億円(前年比+71.6%増)を計画している。現時点では進捗率は25%に到達していないものの、コロナ禍でしぼんだ需要がうまく戻ってきている数値となっている。キャリアインデックスだけでなく、転職求人・賃貸サイトについて他社も同様の傾向になっている。

■キャリアインデックスの事業内容は?

 キャリアインデックスは転職求人、賃貸サイトの運営をおこなっている。転職求人領域では「CAREER INDEX」とう転職求人の「まとめサイト」のようなものを運営している。実際に求人仲介しているのはTypeやGreenなどの募集サイトであるものの、そのサイトに「送客」する仕組みを構築している。アルバイト・派遣情報サイトとして「ラコット」を運営している。

 不動産領域では「DOOR賃貸」と「キャッシュバック賃貸」を運営している。どちらも、不動産仲介会社への「送客」するサイトだ。これらのサイトを通して成約した場合は5,000円くらいのお祝い金を渡す仕組みとなっている。なお、同じ仕組みでは、株式会社じげんが「スモッカ」と「賃貸EX」を運営している。じげんも「送客」を得意とする会社だ。

求人や不動産など情報サイト一括検索じげん(3679)、売上高の停滞からの脱却は?(2020年6月6日投稿)

 その他にはDX領域として、営業支援クラウドサービスの「Leadle」やオンライン面接ツールの「BioGraph」を展開しているが、2022年3月期の第一四半期の売上高は18百万円にとどまる。

■キャリアインデックスの特徴は?

 キャリアインデックスの事業内容は、じげんやリブセンスなどと似ている。キャリアインデックスは従業員数が40名弱と少なく、じげん772名、リブセンス367名にくらべると固定費が非常に小さいのが特徴だ。

事業規模縮小中のリブセンス、マッチングアプリ事業に参入!(2021年9月24日投稿)

 少ない人数でサイトを運営しているため、固定費が小さく、損益分岐点が低い。利益が出だすと、一気に利益が拡大するのが特徴だ。そのため、株式市場でも時価総額200億円としっかり評価されている。

■キャリアインデックスの株価推移は?

 キャリアインデックスは2018年12月に時価総額約400億円くらいをつけてから株価は下落。コロナショックの2020年3月には時価総額50億円くらいまで下落し、そこから時価総額200億円まで反発している。

 現在の株価が戻っているのは転職求人と賃貸サイトともに需要が回復している面が大きい。キャリアインデックスはタイミングよく、2020年10月にTypeから「キャッシュバック賃貸」の事業を取得し、業績が大きく上昇しているように見せることもできた。

 キャリアインデックスの事業モデルは、それほど固定費がかからず、有形固定資産は29百万円しかB/S上に計上されていない。いっぽう、現預金は17億円ほど保有している。心配な点は、のれんに相当する顧客関連資産という無形資産を約22億円保有している点だ。これは「DOOR賃貸」や「キャッシュバック賃貸」の事業を取得したときに発生したもの。事業が好調なうちは良いが、事業状況が悪化すると減損するリスクが残る。

 キャリアインデックスの課題はDX領域をいかに伸ばすことができるか。現在は事業規模が非常に小さいため、ここで月額課金のサービスとして柱になるサービスにできたなら時価総額500億円は見えてくるだろう。

(画像1)キャリアインデックスの株価推移

以 上

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