MTG LIFEPLAN(EC事業)が伸びる、MTGの堅調な成長も販管費増で悪化!

 MTG LIFEPLANはReFa(リファ)の伸びで成長しているMTG。SIXPADやReFaなどオリジナルブランド製品で市場を構築している同社。CMなどの印象で中高級ブランドのイメージも定着しており、少し豊かなミドル層に訴求する商品を提供している。業績は販管費増で悪化しているものの、着実に売上高を伸ばしている。

「ReFa」「SIXPAD」のMTG、自社ブランド製品にて成長継続なるか?(2022年12月10日投稿)

■基本情報(2023年5月1日時点)

  • 株価:1,407円(10年来高値:8,120円)
  • 時価総額:564億円
  • 予想PER:39.6倍
  • PBR:1.34倍
  • 予想配当利回り:0.71%
  • 自己資本比率:81.8%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:14,040人(2022年9月30日時点)

■MTGの業績は?

 MTGの2023年9月期の第一四半期の売上高は148億円(前年同期比+16.3%増)、営業利益13.7億円(前年同期比△35.4%減)の増収減益。MTGの売上総利益率は+60%(前年は+66%)、営業利益は+9%(前年は+17%)と円安等の原材料高騰の影響で粗利が大きく悪化し、営業利益も下落している。

 MTGの売上総利益は前年84.2億円→88.7億円と+4.5億円の増加、販管費は62.9億円→75.0億円と+12.1億円の増加となり、営業利益は21.2億円→13.7億円と7.9億円の悪化となっている。原材料の高騰が前年対比悪化の要因としているものの、中身をみると、マーケティング費用や人件費の上昇が大きな要因だ。

 販管費増は成長のための投資とみるべきか、売上高を維持するための経費とみるべきか悩ましい。

■MTGの製品状況は?

 MTGはReFaブランドとSIXPADブランドが業績を牽引している。ReFaはシャワーヘッドのファインバブルが好調だ。またヘアケア(ドライヤー)は3万円を超える高価格帯をマーケットに投入しているものの、I-neのSALONIAが1~2万円の価格帯の商品を投入しており、競争ははげしい。

 MTGはB Happyというサロン向けのECプラットフォームを構築しており、サロン向けのヘアケア用品が好調だ。

■MTG LIFEPLANとは?

 MTGはMTG LIFEPLANを展開。商品の価格を分割払い(月々定額)できるもので、下取りサービスも提供している。商品の故障や不具合について、保証期間内であれば無償で修理・交換してくれるサービス。いわゆる、顧客の囲い込みをするリカーリングモデルと言えるだろう。顧客の購入のハードルを上げる仕組み。

■MTGの財務状況は?

 MTGの2022年12月末時点の財務状況をみると、主な資産として、現預金は147億円、商品は97億円、土地89億円となっている。有利子負債はゼロで財務状況は極めて健全だ。

 MTGは2018年7月に東証マザーズに上場し、公募増資と引受証券で約350億円を調達している。上場時の時価総額は2,724億円で現在の5倍近くになる。上場時に購入したすべての投資家が含み損を抱えている状況だ。

 MTGの2022年度のキャッシュフロー計算書をみると、営業CFは+18.8億円、投資CFは△18.8億円、財務CFは10.5億円のプラスとなり、現預金は+8.8億円の増加となっている。時価総額にくらべて、営業CFと投資CFを合算したフリーキャッシュフローはほぼゼロと増えていないことが気になる。

■MTGの株価推移は?

 MTGの時価総額は約560億円。正直、株価は低迷が継続している。株主数が1万人を超えており、なかなか人気化しにくい状況だ。MTGの商品はショッピングモールなどでイベント的に販売しているケースが多く目につくことも多い。ただし、価格面ではそれほど安価ではなく、ミドルクラス以上の消費者でないと手を出さない価格帯で販売している。

 ファブレスで製品を企画、開発、生産しているのが強みであるものの、外注業者が強くなると製品コストの上昇を受ける事業モデル。原材料の上昇や円安をモロに受ける。いかに魅力的な製品を開発しつづけるかがポイントになる。

(画像1)MTGの株価推移

以 上

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