自社のエンジニアを顧客企業に派遣して開発支援する業務受託サービスを展開しているジャパニアス(Japaniace)。リーマンショックから約10年ちょっとで売上高は4倍超まで成長。IT関連のAI、クラウド、インフラそして、Salesforceなど必要な分野の人材を育成して派遣するビジネス。
■基本情報(2023年5月1日時点)
- 株価:2,722円(10年来高値:3,880円)
- 時価総額:109億円
- 予想PER:18.9倍
- PBR:4.56倍
- 予想配当利回り:2.6%
- 自己資本比率:59.3%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:1,625人(2022年11月30日時点)
■ジャパニアスの業績は?
ジャパニアスの2023年11月期の第一四半期の売上高は22.9億円(前年同期比+20.5%増)、営業利益2.0億円(前年同期比+49.2%増)の増収増益。ジャパニアスの売上総利益率は+25.8%(前年は+23.8%)、営業利益率は+8.6%(前年は+7.0%)と改善傾向となっている。
ジャパニアスの売上総利益は前年4.5億円→5.9億円と+1.4億円の増加、販管費は3.2億円→3.9億円と+0.7億円の増加となり、差し引きで営業利益は+0.7億円の増益となった。
エンジニア数が1,357人と前期末の1,244人から増加しており、人数をいかに集めるか(育てるか)がジャパニアスの成功のポイントになる。
■ジャパニアスの事業内容は?
ジャパニアスは、いわゆるエンジニア派遣事業をおこなっている。顧客の会社に常駐するIT関連のエンジニアを派遣し、人数×粗利で稼ぐビジネス。この人材ビジネスはストック型で収益が上がるのが特徴だ。1人あたりの月間売上高は57万円前後で推移しているため、エンジニアには43万円の報酬となり、ジャパニアスは約25%の14万円が粗利となる計算だ。
技術分野では、ソフトウェア関連のエンジニアが最も多く772名で通期では853名を目指す。
■ジャパニアスの求人内容は?
ジャパニアスのような人材派遣会社では求人募集をみると会社の内容を把握しやすい。SEなどのIT人材の募集年収は300万円~900万円、AI・IoT・クラウドなどの関連技術者を募集。Java、PHP、PerLなど一般的なITエンジニアを募集している。研修が1か月あり、基礎から実践スキルまで習得できるという。
■ジャパニアスの2023年11月の見通しは?
ジャパニアスの2023年11月の業績見通しは、売上高96億円、売上総利益23億円、営業利益7.5億円を計画している。前年比で+20%を超える成長を計画。やはりポイントは、いかに人を集めることができるか。すでに人材不足は慢性化しており、優秀な人材の取り合いはつづいている。
2023年2月末時点でジャパニアスの社員数は1,500名。ITにかぎらず、オンサイト型支援(顧客常駐型)の受託サービスはいろいろな会社がおこなっている。いかに流れにのって、人材数を増やすことができるかがポイントだ。
■ジャパニアスの財務状況は?
ジャパニアスの2023年2月末の財務諸表をみると、現預金は23億円、有利子負債はゼロと健全だ。ジャパニアスは2022年9月の東証グロースに上場したとき、約3億円の資金調達にとどまっている。そもそも、公開時の時価総額は41億円と控えめだった。
■ジャパニアスの株価推移は?
ジャパニアスの時価総額は約110億円。業績は堅調に推移しており、株価指標的にも割高感はない。しかしながら、株価チャートはダウントレンドになっており、当面は調整がつづくかもしれない。
ジャパニアスのキャッシュフロー計算書をみると、ほぼ投資CFが不要な利益構造で、営業CFがそのまま現預金の増減になる仕組み。配当性向は当期利益の50%を目標としており、株主還元を積極的に実施している。
以 上