「オウチーノ」「zaim」など生活関連サービス、くふうカンパニーの業績の行方は?

 不動産関連事業の「オウチーノ」や結婚関連事業の「エニマリ」、家計簿アプリ「zaim(ザイム)」など複合事業を展開している、くふうカンパニー。くふうカンパニーと言えば、カカクコムやクックパッドの社長を歴任した穐田誉輝(あきた・よしてる)氏が会長であることで有名な会社。穐田氏はカカクコムとクックパッドの企業価値を引き上げたことで有名だ。2021年10月にはロコガイドとの経営統合が予定されている。くふうカンパニーの業績と株価の行方はどうなるのか?

■基本情報(2021年6月4日時点)

  • 株価:682円(10年来高値:1,759円)
  • 時価総額:123億円
  • 予想PER:ー(当期純利益は非開示)
  • PBR:2.72倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:53.3%
  • 会計基準:日本基準

■くふうカンパニーの業績は?

 くふうカンパニーの2021年9月期の第二四半期の売上高は21億円(前年同期比△27%減)、営業利益91百万円(前年同期比△65.2%減)の減収減益となった。新型コロナウイルスの影響により、業績を牽引していた結婚関連事業が低迷している。結婚関連事業の売上高は前年の半分以下に落ち込んでいるものの、なんとか黒字を維持している。くふうカンパニーの売上総利益率は+56.2%(前年同期は+55.9%)と高い。

■くふうカンパニーの事業内容は?

 くふうカンパニーは、さまざまな事業をおこなっている。結婚関連事業は「みんなのウェディング」で事業を行っていたものの、「エニマリ」というサービス名に変更。結婚関連事業の2021年9月期の売上高は3.7億円、セグメント利益は48百万円の黒字となっている。「エニマリ」は会費婚や1.5次会を中心にサービスを展開し、くふうカンパニーはあくまで結婚式場などの仲介サービスをおこなっている。

 不動産関連事業は「オウチーノ」や「おうちのくふう」というサービスを展開している。売上高は5.4億円、セグメント利益は73百万円の黒字と業績を引っ張っている。「オウチーノ」は中古マンション、中古一戸建てなどの売買情報・賃貸サイトを展開している。リクルートの「SUUMO」や「HOMES」などと同じ情報サイトとなっている。「おうちのくふう」はフルリノベーション物件を提供している。駅近の中古物件を買い取り、リノベーションして設備保証10年、仲介手数料無料の物件として売り出す不動産事業だ。掲載されている物件をみると、築40年を超える物件に最新設備を導入して、新築のような雰囲気によみがえっている。

 金融関連事業は売上高1.2億円と規模は小さいものの、右肩あがりに売上増加している。主力はオンライン家計簿アプリの「zaim(ザイム)」だ。「zaim」は900万ダウンロードを突破している家計簿アプリ。競合としてはマネーフォワードの「マネーフォワードME」など。

 くふうカンパニーは、結婚、住宅、家計、保険など生活に関連した仲介サービスを中心にビジネスをしている。規模感はまったく異なるが、リクルートグループの極めて小さいバージョンの会社。新型コロナウイルスの影響をモロに直撃し、結婚関連事業を中心に業績は落ち込んでいるものの、ゆくゆくは再び成長トレンドにのるものと期待があつまる。

■くふうカンパニーの株価の行方は?

 くふうカンパニーの時価総額は約120億円。いまの業績をみると株価指標的には割高だ。くふうカンパニーは、不動産関連コンサルティングを手掛けるハイアス・アンド・カンパニー(時価総額:37億円、従業員数:248名)の50.1%の第三者割当増資を引き受け、連結子会社にする予定だ。

 2021年10月1日、くふうカンパニーは国内最大級のチラシ・買い物情報サービスを展開しているロコガイド(時価総額:265億円)と経営統合する予定だ。2021年9月29日に両社とも上場廃止し、2021年10月1日に共同持株会社が新規上場する。企業規模は大きくなるものの、くふうカンパニー、ロコガイド、ハイアス・アンド・カンパニーの3社の相乗効果がどこまででるか不透明だ。統合会社の上場まで様子見が無難ではないだろうか。

(画像1)くふうカンパニーの株価推移

以 上

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする