Reebokジャパンを連結して成長をつづけている靴を中心としたEC通販のジェイドグループ(旧ロコンド)。Reebok事業に加えて、NTTドコモのマガシークを買収。マガシークの買収などで総取引高は順調に増えているものの、シナジーをしっかり刈り取れるかが課題。とくにクロスセルは簡単に実現できるか見極めが必要だ。
マガシーク買収のジェイドグループ(旧ロコンド)、成長性は回復か!?(2024年7月14日投稿)
計画値未達のジェイドグループ(旧ロコンド)、株価は数日で半値に!(2024年4月20日投稿)
■基本情報(2024年10月18日時点)
- 株価:1,835円(10年来高値:4,180円)
- 時価総額:210億円
- 予想PER:18.7倍
- PBR:3.48倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:39.6%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:4,397人(2024年2月29日時点)
- 事業価値:205億円
■ジェイドグループの業績は?
ジェイドグループの2025年2月期の第二四半期の商品取引高は243億円(前年比+72.8%増)、売上高は95.1億円(前年比+44.5%増)、営業利益5.1億円(前年比△35.6%減)の増収減益。
ジェイドグループの売上総利益率は+31.0%(前年は+35.4%)、限界利益率は+15.5%(前年は+18.0%)、営業利益率は+2.1%(前年は+5.6%)となっている。取引規模は増えているものの、利益率が大きく悪化している。
ジェイドグループの限界利益は前年の25.3億円→37.7億円と+12.4億円の増加、固定費は前年の17.3億円→32.5億円と15.2億円の増加となり、営業利益は△2.8億円のマイナスとなった。
■ジェイドグループの固定費はなぜ増えたのか?
ジェイドグループの事業規模は大きく増えたものの、固定費の伸びが粗利以上に増えたことが減益要因だ。では、なぜ固定費がここまで増えたのか?販管費の内訳をみると、人件費が+7億円、荷造運搬費が+4億円、手数料が+5億円、広告費が+1億円、地代家賃が+4億円、その他が+8億円となっている。
その他+8億円の理由としては、のれん増、リーボックのコラボ商品の先行支出、移転費用(+3億円)となっている。のれん自体は全体で8億円しか計上されておらず、それほど償却費増はないだろう。おそらく、リーボックのコラボ商品の先行支出がかなり負担が大きいと思われる(決算説明資料を読むと、先行支出は2億円とも読み取れる)。
■ジェイドグループの財務状況は?
ジェイドグループの2024年8月末時点の財務諸表をみると、現預金は28億円、棚卸資産は27億円、のれん8.8億円、敷金保証金11.8億円となっている。負債をみると、有利子負債は15億円、受託販売預り金が28億円、未払金が13億円となっている。財務的には健全だ。
自己株式取得により約18億円が財務諸表に計上されている。全体の発行数の6.2%となっている。言い換えると、自社株買いをしなかったら+18億円くらいは現預金が多く計上されていた計算になる。
■ジェイドグループの株価は?
ジェイドグループの時価総額は約200億円。直近は業績の進捗が期待を下回り株価は下がっている。しかしながら、実力的に妥当な株価水準ではないだろうか。何か大きなポジティブサプライズがあれば大きく上昇する局面も来るだろう。
以 上