業績好調の英語コーチングのプログリット、どこまで成長つづくか?

 英語コーチングサービスの「プログリット」や英語学習サービスの「シャドテン」を展開しているプログリット(PROGRIT)。株価は2023年6月の高値から大きく下落しているものの、ポジティブサプライズの決算で株価は大きく反発中だ。従業員数は2023年11月末時点で175名、東証グロースに上場している。今後の業績と株価の行方は?

英語コーチングサービスのプログリット(PROGRIT)、サブスクサービスの「SHADOTEN」も!(2023年8月15日投稿)

英語コーチングサービスのプログリット(PROGRIT)、法人研修市場の拡大がカギか?(2022年10月22日投稿)

■基本情報(2024年1月26日時点)

  • 株価:1,425円(10年来高値:2,500円)
  • 時価総額:171億円
  • 予想PER:38.8倍
  • PBR:12.9倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:50.6%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:4,105人(2023年8月31日時点)

■プログリットの業績は?

 プログリットの2024年8月期の第一四半期の売上高は10.3億円(前年比+52.0%増)、営業利益3.2億円(前年比+107.7%増)の増収増益。プログリットの売上総利益率は+74.1%(前年は+72.1%)、営業利益率は+31.3%(前年は+22.8%)と高い水準を維持している。

 プログリットの売上総利益は前年の4.9億円→7.6億円と+2.7億円の増加、販管費は前年の3.3億円→4.4億円と+1.1億円の増加となり、差し引きで営業利益は+1.6億円増加となり、前年の1.5億円→3.2億円となった。

 売上高の内訳をみると、英語コーチングサービスは前年の5.0億円→7.0億円と+2.0億円の増加、サブスクサービスは前年の1.7億円→3.2億円と+1.5億円の増加となっている。成長率としては、サブスクサービスの成長速度が高い。

■プログリットの事業状況は?

 プログリットはAIを活用した新規サービスを立ち上げている。「SUPIFUL(スピフル)」と「DiaTalk」。「SUPIFUL」はビジネス特化型の英会話トレーニングで、「瞬発力を身につける」口頭英作文のサービスだ。「DiaTalk」はいつでもどこでも自由なテーマでAIと会話できるサービス。

 プログリットはテクノロジーを活用して、顧客に新しい学習体験を提供している。いままでの英会話サービスは、ネイティブの講師とトレーニングを積み上げていくものだったものの、プログリットは完全に新しい学習体験を提供している。

■プログリットの課題は?

 プログリットの事業規模として、だいたい年間売上高38億円。この規模が将来的にどのくらいまで成長するかを考える必要がある。英語コーチングサービスは日本の人口が限られているので、どこかで頭打ちになるだろう。

 サブスクサービスのシャドテンは現在の有料会員数は5,979人。1か月税抜きで19,800円(税込み21,780円)のため、1か月あたりの売上高は約1.2億円。英語学習にやる気のある人は月2万円を負担できるものの、モチベーションがそれほど高くない人は月2万円は厳しいだろう。どこかで、競合の安価なサービスがでてくることも予想される。

■プログリットの財務状況は?

 プログリットの2023年11月30日時点の財務諸表をみると、現預金は19.5億円、敷金2.2億円とそれほど目立った資産はない。負債は、有利子負債が1.4億円、契約負債(前受金)が6.9億円となっている。

 プログリットは設備投資が不要で、人件費が主な支出。従業員数は175人で平均年収は495万円のため、年間の人件費は約8.7億円(企業負担の社会保険など含まず)。現状の売上規模38億円であれば、十分吸収できる金額規模だ。

■プログリットの株価推移は?

 プログリットの時価総額は約170億円。予想PERは38.8倍、PBRは12.9倍と株価指標的には割高感がある。プログリットの岡田社長が有名アナウンサーと結婚したこともあり、他のグロース銘柄よりも注目を浴びやすいというのも株価にプラスに寄与しているだろう(出来高の増加など)。

 プログリットの2024年8月期の1株あたり利益(EPS)は36.9円。予想PERを15~30倍で計算すると、予想株価は550円~1,100円(現在の株価は1,425円)。EPSがもう少し伸びて50円で考えた場合、予想株価は750円~1,500円となる。ほぼ、EPSの上昇を織り込んだ株価をつけており、すでに事業価値は十分高めに評価されていると言えるのではないだろうか。

(画像1)プログリットの株価推移

以 上

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