「AIアナリスト」というサービスで顧客のウェブサイトを分析し、データの見える化だででなく、何をすればCVR(コンバージョンレート)を改善できるかわかるサービスを提供しているWACUL。2010年9月設立、社員数は77人、東証グロース上場の企業だ。今後のWACULの業績と株価の行方は?
■基本情報(2023年2月10日時点)
- 株価:569円(10年来高値:4,780円)
- 時価総額:40億円
- 予想PER:24.7倍
- PBR:4.48倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:64.1%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:3,836人(2022年2月28日時点)
■WACULの業績は?
WACULの2023年2月期の第三四半期の売上高は9.5億円(前年同期比+17.7%増)、営業利益1.1億円(前年同期比△20.7%減)の増収減益。WACULの売上総利益率は+76.6%(前年は+81.7%)、営業利益率は+11.7%(前年は+17.3%)と悪化傾向だ。
WACULの売上総利益は前年の6.6億円→7.3億円と+0.7億円の増加。販管費は5.2億円→6.2億円と+1.0億円の増加となり、差し引きで営業利益は0.3億円の悪化となった。
■WACULの事業内容は?
WACULは「AIアナリスト」というサービスを提供しており、Facebook、インスタグラム、ツイッター、ウェブサイトのデータを連携し、分析・改善提案を受け、効果検証できるもの。ウェブサイトの「見える化」だけでは、CVRと言われるコンバージョンレート(成果への転換率)が上がらないため、そのCVR改善の提案まで行うサービスとなっている。
「AIアナリスト」は、SEOというサービスでオウンドメディアの記事作成サービスを提供している。オウンドメディアを持つことでコンテンツが増えて、検索エンジンからの流入が増える。また、ADとしてWeb広告の運用代行サービスを提供している。
この「AIアナリスト」サービスだけでなく、デジタルトランスフォーメーションのコンサルティングを実施している。具体的には、KPI設計と実行施策検討やEC戦略立案、顧客獲得フローのDXなど。
■マーケティングオートメーション?
最近はBtoBビジネスでも、Webサイトからのリード(見込み客)を獲得して、CVR(成果)につなげるマーケティングオートメーション(MA)という考え方が広がっている。Webサイトとセールスフォースドットコム(CRMソフト)などと連携することにより、インサイドセールスを活用したデジタルマーケティングの考え方だ。
WACULは「AIアナリスト」でデジタルマーケティングをサポートするSaaSモデルのサービスを提供している。BtoBのデジタルマーケティングが新しい考え方のため、今後の需要は伸びていく可能性はある。
■WACULの株価推移は?
WACULの時価総額は約40億円。現在の年間売上高は約14億円、営業利益は1.8億円と小さい。前年比の成長性が20%を超える計画をしているものの、足元の実績は18%にとどまっており、想定以上に成長性の鈍化が早いと市場は受け止めている。
ただ、デジタルマーケティングは将来性のあるものであり、どこかでブームになる可能性がある。株価も右肩さがりがつづいており、どこかで上昇トレンドに転じると信じたい。
以 上